TSIホールディングスは2017年12月に子会社化した、スケートブランド「ハフ(HUF)」を手掛ける米ハフホールディングスの最高経営責任者(CEO)に、エディ・光広・三好(Eddie Mitsuhiro Miyoshi)ボルコムジャパン(VOLCOM JAPAN)元代表取締役を任命した。
三好CEOはアクションスポーツブランド「ボルコム」で20年の経験があるベテラン。もともと「ボルコム」の日本のディストリビューターをしていたが、リチャード・ウールコット(Richard Wolcott)「ボルコム」創業者の目に留まり、同ブランドのインターナショナル事業の設立を任された。三好CEOはボルコムジャパンの事業を監督していただけでなく、他のアジア地域、ラテンアメリカ、ドバイ、イスラエルなどの地域でもチームを築き、その後はボルコムジャパンの代表取締役やグローバル・ヘッド・オブ・カルチャーを務めた。ボルコムは05年に新規上場(IPO)し、11年に6億800万ドル(約674億8800万円)で現ケリング(KERING)であるPPRに売却したが、その成長の立役者でもある。
三好CEOは「TSIと話し合った時、『ハフ』には多くのチャンスがあることを告げた。『ハフ』はスケートボードのルーツもありながら、ストリートウエアにもまたがる存在だ。小売りでも優位なポジションを築き、日本企業が所有している。私が『ハフ』に来たのは若い従業員が誇りをもって働けるようなブランドのレガシーを築きたかったからだ。そのために、市場への過剰供給や、金もうけとセールのために商品を作ることは絶対にしない。自分たちのルーツを忘れ、卸業者からスタイルと価格帯を勝手に決められることも許さない」と語った。
現在「ハフ」は米国、欧州を中心に30カ国で展開されており、旗艦店はニューヨークとロサンゼルスにあり、日本では渋谷、原宿、大阪、名古屋、仙台に店舗を構えている。三好CEOによれば、今年いっぱいはインフラ整備に努め、19年に2店舗ほどオープンし、そこから拡大する予定だ。「ハフ」が創業したサンフランシスコにも新店舗オープンを予定しており、ブルックリンやシカゴ、アトランタ、ロサンゼルス西部なども出店候補地だという。
ターゲットはこれまでと変わらず18〜26歳とする一方、価格帯を上げてブランド価値を高める。D2C(ダイレクト トゥ コンシューマー)を強化して慎重に流通先を選ぶ一方で、卸も変わらず重要な事業として位置づける。日本でもブランドのプレゼンスを高め、マーケティングプラットホームを拡大しながら、他のアジア地域の顧客にもリーチしていく。また、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアの市場に好機があるとみている。