「レスポートサック(LESPORTSAC)」は9月5日、ニューヨーク・ファッション・ウイークのキックオフイベントとして、元「ランバン(LANVIN)」アーティスティック・ディレクターのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)とのコラボ・コレクションの第1弾のお披露目パーティーを開催した。1年で全4回のコレクションをローンチ予定だ。 エルバスは翌日、ソーホーにある「レスポートサック」のショップでファンイベントを開催。そんな彼に、今回のコラボレーションについて聞いた。
WWD:コラボの経緯は?
アルベール・エルバス(以下、エルバス):(「レスポートサック」を手掛ける)伊藤忠商事とのコラボレーションは、去年スタートした(「コンバース」の日本限定のハイエンドライン)“アヴァン・コンバース(AVANT CONVERSE)”に次いで2度目。彼らとの関係性が良好だからだ。長くラグジュアリー業界に身を置いた私には新しいチャレンジだったが、尊敬する伊藤忠のメンバーからのオファーだったから引き受けた。
WWD:バッグについて教えてください。
エルバス:最近、街の若い女性はナイロンや布のバッグを持っている。しかも、サイズは皆、断然小ぶりだ。今はスマートフォンの時代。スマホが手帳や財布、チケット、カメラなどあらゆる機能を持っているから、たくさんの荷物は必要ない。だから皆、ミニバッグに夢中だ。だから今回のコレクションは、小さめのサイズをたくさん用意した。ポケットもたくさんつけて、機能性も重視したよ。今の女性は、軽くて使いやすいものを求めているはず。私が愛してやまない女性にとって使いやすく、かつファッショナブルなバッグを届けたかった。
WWD:イラストやメッセージをふんだんに用いている。
エルバス:私のスケッチはいつも女性ばかり。だって女性は、私にとってのアイドルだから。そんな女性がパーティーなどを楽しんでいたり、踊っている様子をイラストにした。メッセージには“Hope(希望)”“Dream(夢)”“Love(愛)”など、前向きな言葉をたくさん使った。女性にとって、バッグは大切なもの、ひいては人生を入れるものだ。だからこそ、ポジティブなメッセージを込めたんだ。これは、女性に捧げるバッグなんだ。
WWD:実際にコラボレーションしてみてどうだった?
エルバス:今はいろんなブランドがコラボレーションしていて、まるでファッション業界の社会現象のよう。正直、マーケティングのためのコラボも数多い。そんな中、私は「真のコラボレーションは、互いのノウハウの融合だ」と考えた。40年間軽くて実用性の高いバッグを作り続ける「レスポートサック」の実用主義と、私のファッション性が融合したんだ。「レスポートサック」のチームは、私のアイデアや提案を全て「Yes, we can.(もちろん、喜んで挑戦するよ)」と快く受け入れてくれた。「Yes, we can.」先のアメリカ合衆国大統領バラク・オバマ(Barack Obama)が残した名言は、皆をハッピーな気持ちにさせてくれるね。