パリのオートクチュール期間中の発表を経てニューヨークに戻ってきた「ロダルテ(RODARTE)」は9日(現地時間)、気温16度と肌寒く雨が止まない中、なぜか屋外でランウエイショーを開催してしまい結果、今季一番の“ドタバタ・ファッションショー”になってしまった感がある。
ケイト&ローラ・マレヴィ(Kate & Laura Mulleavy)姉妹は、雨天の代替案を考えていなかったようだ。ショーは午後6時(現地時間)スタート。ところが当日は朝から冷たい雨が降り、終日止まない予報。そこでブランドは、「会場は、屋根のない屋外です。それなりの服装でお越しください」というメールを送付。イーストヴィレッジの庭園は、晴れていれば美しかっただろうが、泥に覆われ、なんとも残念な雰囲気だ。
ゲストのために用意した木製の椅子は、庭園を取り囲むように1列に配置したが、午後6時の段階ですでに水を含み、ひんやり冷たい。スタッフが座る直前、キッチンペーパーで座面を吹いてくれるがそんなの“焼け石に水”。だからゲストは、なかなか席に座らない。そんなこんなでスタートは遅れ、皆、雨に濡れ始める。一部用意周到なゲストはゴミ袋を持参して椅子にかぶせたり、穴を開けて即席のポンチョにしたりして雨をしのいだが、大半は傘をさしたまま椅子に座ってスタートまでじっと待機。そんな中でも元気なのはやっぱり若い女の子たちで、「こんな雨のシチュエーションで、今から『ロダルテ』のファッションショーなの!」と、大騒ぎしながらインスタグラムに写真や動画をアップした。
肝心のコレクションは、およそ25分遅れで始まった。オーガンジーやチュール、レースを用いたドレスが中心で、雨は大敵。とはいえ、モデルは傘をさすわけにもいかず、ツルツルの金属板の上をピンヒールで歩くという恐怖のショーが始まった。
メイクは、かつての貴族メイクのようで、レッドリップやバラをあしらったヘアが印象的だが、こちらも夜露に濡れてビチャビチャ……。ドレスの裾は、泥に汚れた。モデルは恐る恐るランウエイを歩き終わると、ピンヒールで泥混じりの芝生を歩き、フィナーレまでじっと佇む。モデルも、ゲストも、なかなかの“苦行”だ。
コレクションには、 “てるてる坊主”を思わせるチュールのフード付きケープルックもあったが、残念ながら「ロダルテ」の願いは天に届かなかったようだ。