松屋銀座本店は、外商客と上顧客を対象にしたイベント「松美会(しょうびかい)」を11日に開催した。併せて一般客も対象にした「感謝祭」も行い、全館で盛り上げた。同イベントは毎年2月と9月に行っており、前回2月21日の全館売上高は9億2000万円に達した。今回は前回から3%増となる約9億5000万円を見込んでいる。単日の売上高としては、1月2日の初売りを超えており、同店にとって欠かせないイベントになっている。
カード会員は、一部ブランドを除いて商品が10%割引となる他、カードの優待額に沿ったクーポンなどを受け取ることができる。加えて、外商客や上顧客に向けては、8階に特設スペースを設けてドリンクや軽食を提供。俳優の沢村一樹や中尾彬・池波志乃夫妻らによるトークイベントなどを開催した。特に沢村一樹は、主演ドラマの最終回からすぐだったこともあって、観客を集めた。一般客向けにも、商品の購入レシートを提示することで参加できる抽選会や屋上でのドリンクサービス、占いコンテンツ、まぐろの解体即売会などを企画した。
同店に出店するブランドはこの日に合わせて商品を集積し、買い上げにつなげている。「『松美会』で高額品を買おうと、事前に販売員と話し込んでいるお客さまも多い。特に2階のラグジュアリー・ブランドの衣料や、4階の婦人服が売れる。お客さまの年間の買い物スケジュールにしっかり組み込んでいただけている」と河野新平・販売促進課課長は手応えを語る。この機会を新規のカード会員獲得にもつなげる。
同イベントは2008年まで、ホテルに外商客、上顧客のみを集めて行っていた。集積できる商品に限りがあることなどから09年から銀座本店での開催に移行。この間、松屋として顧客育成に力を入れていることも貢献して、同イベントでの客単価は年々上がっているという。