アマゾン(AMAZON)が、アパレルおよびフットウエア分野で売上高首位のウォルマート(WALMART)を追い上げている。証券会社ウェルズ・ファーゴ(WELLS FARGO)によると、アマゾンの2018年の同分野における流通総額は308億ドル(約3兆4188億円)に達する勢いだという。これが実現すれば売上高は前年比約25%増となるが、過去2年の成長率が35%増かそれ以上であったため、今年の成長率はやや控えめな印象を与える。
17年の同分野の売上高は、ウォルマートが290億ドル(約3兆2190億円)、アマゾンの流通総額が246億ドル(約2兆7306億円)だった。ウェルズ・ファーゴの分析通りであれば、ウォルマートが首位を守るには、売上高6%増以上が必須である。
アマゾンの数字は同社サイトを利用するサードパーティーの売り上げも含むのに対し、ウォルマートの数字は自社で直接消費者に売り上げたものであるため、単純に比較することはできない。しかし、あくまで流通総額ではあるが、アマゾンが他社を寄せ付けない強さを見せていることはわかる。ウェルズ・ファーゴによると、アマゾンでの売り上げが、ECと実店舗を合わせた17年の全米のアパレルおよびフットウエア分野売り上げの7.2%を占めたという。また、同社が1500人の米国人買い物客を対象に行った調査によると70%かそれ以上の人々が、アマゾンでの買い物の魅力は、店舗に行くより便利であり品ぞろえが良く配送が迅速なことだと回答した。
しかし、ウォルマートも今期上半期の決算は増収で終わり、今年のクリスマス商戦に向けて明るい兆しが見えている。またECとファッションビジネスの強化のため、企業買収や同社ECでの取り扱いブランド数の拡大を急いでいる。
ウェルズ・ファーゴのアナリスト、アイク・ボルシャウ(Ike Boruchow)は「小売業各社はここ数年のEC普及もあり、今年度上半期の売り上げは改善を見せている。小売業者が消費者の需要にうまく応えられるのであれば、ECの波に乗って、シェアを伸ばすことはできる」という。