米コンデナスト(CONDENAST)が発行するファッション雑誌「W」は、女優のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)をゲストエディターに迎え、“The female gaze(女性のまなざし)”と題したオール女性特集号を制作した。同号では、ステファノ・トンチ(Stefano Tonchi)「W」編集長を除き、撮影、スタイリング、執筆、編集は全て女性が行い、特集も全て女性についての内容だ。
ケイトが表紙を飾り、特集内ではスタイリストでファッション・ディレクターのケイティー・グランド(Katie Grand)がモデルのアドリアナ・リマ(Adriana Lima)をグラマラスな郊外の夫人風にスタイリングしたファッション・シューティングや、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が「ディオール(DIOR)」や「#Metoo」ムーブメントについて語るインタビューなどを掲載している。その他、映画監督のアニエス・ヴァルダ(Agnes Varda)やエイヴァ・デュヴァーネイ(Ava DuVernay)らが登場する。
トンチがケイトを今号に迎えた理由は、「彼女がメーンストリームのファッションから外れた存在だということ。一方、同僚との会話の中で『ケイトは表紙に起用するには年をとりすぎ、ハイエンドすぎる』と言われた。そこで、ケイトはただ表紙に登場するだけではなくもっと制作に関わりたいのではと思い、コラボの提案をした」と説明する。ケイトは同誌の制作期間中に何度か「W」のオフィスとトンチを訪れ、一緒に働きたいアーティストのリストを提出したり、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)と直接話して交渉したり、オファーしたいフォトグラファー全員に自ら電話したりするなど、積極的に関わった。
写真家のキャス・バード(Cass Bird)による表紙の撮影は、映画「オーシャンズ8(Ocean’s 8)」のニューヨークプレミアと試写会後のディナーパーティーの合間を縫って行った。「オーシャンズ8」ではヒョウ柄のコートを着こなす、男性らしさと女性らしさを併せ持ったクイア・ウォメンを演じたケイトだが、ここでもヒョウ柄のコートを着用し、映画のワンシーンのような表紙に仕上がっている。