ロンドンのファッション・ウイークといえば、他都市に比べて新進ブランドが多い点が大きな魅力。その中で、今最も勢いのある若手といってよさそうなのが、2014年にショーデビューした「モリー ゴダード(MOLLY GODDARD)」だ。シグネチャーのチュールドレスは日本のストリートでも最近見かけるし、「モリー ゴダード」からの影響を感じさせるブランドも増えている。17年に「LVMHプライズ」のファイナリストに選ばれたのに続き、今年は英国ファッション協会と英「ヴォーグ(VOGUE)」による新進ブランド支援アワードを受賞するなど、乗りに乗っている。
そんな「モリー ゴダード」の19年春夏コレクション会場には、屋台が並び果物ケースが積み上げられ、雑多なマーケット(市場)のような雰囲気。エキゾチックな音楽に乗って現れたのは、シャーリングやスモッキング、たっぷりのティアードフリルといった、細かなテクニックを凝縮したモリーらしさ全開のスタイル。ここ数シーズン、ダークなトーンでやや大人っぽいムードに振っていたが、今季はギンガムチェックに花柄のニットなどを取り入れた、太陽が似合うガーリーなイメージだ。
といっても、どこかピリリと辛い部分があって、単に甘いだけの子どもっぽいスタイルにはならないのがこのブランドのいいところ。女性なら何歳になっても持っているガーリーな部分を刺激・肯定し、女性が自分自身のために楽しむファッションを提案する。そんなモリーのマインドに、今後いっそう支持が集まりそうだ。