「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」は、かねてからウワサされていたラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)とのコラボスニーカー“AWGE × アンダーアーマー SRLo(AWGE × Under Armour SRLo)”を、ハーレムに設けたポップアップストアで9月14日に発売した。
AWOLと名付けられたこのポップアップストアは、エイサップ・ロッキー率いるクリエイティブチームのAWGEと、クリエイティブ・エージェンシーのマット(MATTE)がデザインを手掛けた。1階はスケートパーク、2階はAWGEのインタラクティブ・スペース、3階は音楽イベントなどを開催するスペースとなっている。ポップアップストアは14日16〜24時に一般公開された。
“AWGE x アンダーアーマー SRLo”の製作には、元プロスケートボーダー、デイヴ・メーヒュー(Dave Mayhew)も協力した。メーヒューは20年前にブライアン・レイド(Brian Reid)と共にスケートシューズ“オサイラス D3(Osiris D3)”を作り出した人物だ。スニーカーのカラーはホワイトとブラックの2色展開で、「アンダーアーマー」のスニーカー商品の中でも高価格帯の250ドル(約2万7800円)。同ブランドの“ホバー(Hovr)”クッション技術を採用し、軽量性と履きやすさも追求している。スケートは「アンダーアーマー」にとって新たな領域だったが、エイサップ・ロッキーに完全に自由に製作できる権利を与えた。
「アンダーアーマー」のスポーツスタイル部門、ライアン・ドリュー(Ryan Drew)=ジェネラル・マネジャーは「エイサップ・ロッキーのクリエイティブの力はすごかった。アイデアの竜巻のようだった。参考になるアーカイブもない真っさらな状態から始めたのは本当に難しいことだったと思うが、彼はユニークなスケートスニーカーを生み出したんだ」と語る。「アンダーアーマー」はカラビナ(登山用具)とスニーカーのボックスをつなげるというエイサップ・ロッキーのアイデア実現のために何度も工場を訪れたという。
「カニエ・ウェスト(Kanye West)と『アディダス(ADIDAS)』が作り出したようなものをわれわれも作ろうとしているのかどうかは分からないが、パフォーマンスにおいても意味があるアイデアを出せるクリエイティブな人々を探しているのは事実だ。今回のコラボではスタイル面において少し行きすぎなくらい素晴らしいものができた。だがスニーカーヘッズや消費者、アスリートたちに『アンダーアーマー』は、テクノロジーに重きを置きながらもこうした商品を作れるということをアピールできた」とドリュー=ジェネラル・マネジャーは振り返る。
「アンダーアーマー」はエイサップ・ロッキーと「多面的な協業」をするとしていたが、今回はエイサップ・ロッキーにプレッシャーをかけないためにスニーカーのみの協業にとどまった。
なお、“AWGE x アンダーアーマー SRLo”の製作に携わったメヒューは20年前にスケートシューズブランド「オサイラス(OSIRIS)」ブライアン・レイド(Brian Reid)最高経営責任者と共にブランドのアイコン的スニーカー“D3(D3)”を作り出した人物。そのため両スニーカーには多くの類似点があるとウワサされていた。「オサイラス」は“AWGE x アンダーアーマー SRLo”の発売に際し、ブランドのインスタグラムで「どっちが先に発売したかわかってる」というコメント共に両スニーカーを並べた写真を投稿している。