21日にニューヨーク証券取引所に上場したファーフェッチ(FARFETCH)は、公開価格の20ドル(約2240円)を大幅に上回り、初値が27ドル(約3024円)、初日終値が28.45ドル(約3208円)で、同社の時価総額は80億ドル(約8960億円)を超えた。株価は一時30.60ドル(約3427円)にまで上昇した。
計画では株価20ドルで8億8500万ドル(約991億円)を調達し、6億7200万ドル(約752億円)を同社の運営費用または企業買収に使う。
創業者のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)最高経営責任者(CEO)は持ち株を一切売り出さず、クラスB株を4280万株、12億ドル(約1344億円)相当を保有。ナタリー・マセネット(Natalie Massenet)共同会長は29万9010株を保有する。
ネヴェス共同会長兼CEOに次ぐ最大株主は中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.com)の子会社カディ グループ(KADI GROUP)で、クラスA株4240万株、12億ドル(約1344億円)相当を保有する。
EC「ファーフェッチ」はブランドや出店社からコミッションを得る、レベニューシェアモデル。2017年12月期の売上高は前期比59.4%増の3億8600万ドル(約432億円)だったが、純損失は1億1230万ドル(約125億円)の赤字を計上。いまだ黒字化はしていないが、在庫を持たないビジネスモデルやネヴェスCEOのカリスマ性、今後のラグジュアリー市場の成長性などが投資家から評価され、ケリングのフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼CEO一族のプライベート投資会社アルテミス(ARTEMIS)も株式買収に興味を示していた。