トッズ・グループ(TOD’S GROUP)は25日、パリの高級ホテルのリッツ パリで会見を開き、「ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)」のデザイナー、アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell'Acqua) とのコラボレーションを発表した。靴と服をトッズの主要店とオンラインで11月中旬に発売する。
これは、今年2月に発表した新プロジェクト“トッズ ファクトリー(Tod’s Factory)”のウィメンズ版第1弾だ。“トッズ ファクトリー”はデザイナーに限らず“才能ある人”を迎えてのカプセルコレクションや限定商品。ストリートブランドが得意とする販売・プロモーション手法“ドロップ”と同じく、発表から発売までの期間を短くして話題を喚起し、盛り上がりがピークのタイミングで店頭やオンラインストアに商品を投入する。メンズでは先にラポ・エルカン(Lapo Elkann)率いる車改造会社ガレージ イタリア(GARAGE ITALIA)とのコラボを発表した。年間を通じて数回発売し、従来の春夏・秋冬の発表は別途継続する。
商品は、ヌードピンク、黒、同社がタンと呼ぶブラウンの3色展開で、9の靴と7のウエアがそろう。ブランドのアイコンである“ゴンミーニ”(靴底の突起)を生かしたポインテッド・トーのパンプスなど、「トッズ」の強みとデラクアが得意とするフェミニンな要素を融合している。会見の席でデラクアは、「とても光栄なことだ。特に職人たちとの仕事に感銘を受けている」とコメントした。イメージビジュアルのモデルにはエディ・キャンベル(Edie Campbell)などを起用。エディも会見に姿を見せた。
トッズ・グループのディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)最高経営責任者(CEO)は、スピードが加速し続けるマーケットへの危機感をあらわにすると同時に、変革を進めていることを強調した。「すべてが“ナイキ・ストア”みたいで、多くの企業が混乱している。われわれは変わらなければならない。この1年で20年分の仕事をした気分だよ。ただし、変えるのはコミュニケーションの手法であり、ヘリテージやDNAは変えない。クオリティーの高さが大前提であり、それを生み出している職人たちを誇りに思う」と話した。