パリ・ファッション・ウイーク初日の9月24日に「グッチ(GUCCI)」がショーを発表した夜、会場となったナイトクラブのテアトル・ル・パラス(THEATRE LE PALACE)の外で来場者の取材を行った。話題のショーの詳報は「WWDジャパン」編集長の向によるレポートに譲るが、その会場外さえもライブ会場のような熱気に包まれていた。
会場から約10m先の交差点から警察が交通整理し、会場のあるフォーブル・モンマントル通りは通行止めしていた。テアトル・ル・パラスの正面道路を挟んだ道沿いには柵で囲われ、韓国語で書かれたメッセージポップを持った推定100人以上の若い女の子たちで埋め尽くされていた。彼女たちのお目当てはK-POPアイドルEXOのKAI。彼を一目見るために集まったファンたちは「EXO!EXO!EXO!EXO!」のコールでヒートアップし、セレブリティーを乗せた黒塗りのバンが到着するたびに「キャ―――――!!」と黄色い声を上げた。KAI以外にもアメリカ人俳優のジャレッド・レト(Jared Leto)や、ジェーン・バーキン(Jane Birkin)の娘で歌手のルー・ドワイヨン(Lou Doillon)らも大歓声を浴びていた。この集客力と、会場の外で感じた熱狂から、今後「グッチ」にはショー会場の入口にレッドカーペットを用意することを提案したい。
EXOファンの熱気に圧倒されながらも、来場者の装いも華やかで見ごたえがあった。驚くべきは「グッチ」の着用率で、来場者の過半数が一目見て「グッチ」と分かるアイテムを身に着けていたように見えた。キャッチ―なプリントや刺しゅうをポイントにしたウエアはもちろん、“GG”のモノグラムやロゴが入ったバッグやシューズ、大ぶりのサングラス、花柄プリントの“フローラ”のスカーフなどのアクセサリーなど、存在感のあるアイテムを取り入れていた人を多く見かけた。総じてアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)「グッチ」クリエイティブ・ディレクターが生み出すクリエイションの人気の高さを目の当たりにした夜だった。