ファッション

19年春夏ミラノ・アクセ速報2 ネオンカラーやギラギラ輝くシルバーがトレンドに浮上

 イタリアは、ラグジュアリー・ブランドのバッグやシューズの生産地として知られている。そんな国で行われるミラノ・ファッション・ウイーク期間中には毎シーズン、多くのアクセサリーブランドが趣向を凝らしたプレゼンテーションで新作を発表する。2019年春夏のミラノでは、PVCやネオプレン、ラフィア、ニットジャカードなどレザー以外の幅広い素材使いや、ウエアにも多く見られたネオンカラー、ギラギラ輝くシルバーがトレンドに浮上。カジュアルでスポーティーな表現が目立った。その一方で、透明なクリスタルの装飾やヒールの細いサンダルなどフェミニンなデザインも復活の兆しあり。2回に分けて、注目ブランドの新作を速報する。今回は、今季のカラーパレットを象徴するブランドとセンシュアルなスタイルを打ち出したブランドをお届け。

SERGIO ROSSI

 「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」は17世紀初頭に建てられたアンブロジアーナ図書館でプレゼンテーションを開催した。ラウンジチェアでくつろぎながら読書をするモデルの足元にライトを当て、靴を見せるという演出がユニーク。中には、あくびをしたり、アイマスクをして寝ているモデルもいるのも面白い。そんなプレゼンでは、白を中心に、黒やシルバーにフォーカス。フリンジやクリスタルスタッズの装飾をポイントに、ミュールやスリングバックパンプス、サンダルからウエスタンブーツ、ニーハイブーツまで、センシュアルかつグラフィカルなアイテムを披露した。また、透明なPVCの上にクリスタルを乗せたり、バックストラップをヌードカラーにしたりと、足自体を際立たせる提案も目を引く。スクエアシェイプのかかとが特徴の “sr ミラノ”からは、新たにフラットシューズが登場する。

SANTONI

 「サントーニ(SANTONI)」は“アウト・オブ・オフィス”をテーマにしたプレゼンテーションで、2019年春夏ウィメンズのシューズコレクションと、ウエアとシューズからなる“サントーニ エディッテド バイ マルコ・ザニーニ(SANTONI EDITED BY MARCO ZANINI)”を同時に発表。7つに分けられたスペースでそれぞれ異なるシーンを描き、アブストラクトな女性像を表現した。イントレチャート(編み込み)のサンダルやローファーなどクラシックなスタイルは、ネオンカラーやメタリックなシルバーを用いることでモダンな印象に。すっきりとしたデザインのレースアップショートブーツも、鮮やかなグリーンのスエードやネオンイエローのスムースレザーで提案する。一方、アースカラーの柔らかなクロコダイルで作るパンプスは、太めのバックストラップやスエードのリボンをポイントにした。

VALEXTRA

 「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」のキーカラーは、目の覚めるような鮮やかなオレンジとニュアンスのあるパステルブルー。黒やオフホワイトと組み合わせたり、パーフォレーションで“IN”“VISIBLE”という言葉を描いたりすることで、グラフィカルに仕上げた。また、キルティングのようにぷっくりとした立体感が特徴のレザーを用いたシリーズも登場。18-19年秋冬にはダウンで作ったバッグカバーを、今季はチェックのファブリックで提案する。

GIANVITO ROSSI

 「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」は、今シーズンも女性の足を美しく見せるセンシュアルなデザインが豊作だ。特に印象的なのは、クリスタルやチェーンのアンクレットとサンダルを組み合わせる提案や、アンクレットが一体になったようなデザイン。目の粗いネット素材は、オープントゥのレースアップサンダルからショート&ロングブーツまでをそろえる。定番のレオパードは、黒のレースと組み合わせたり、PVCにプリントしたりしてアップデート。単色でまとめたきゃしゃなサンダルにはカラーソックスを合わせ、色のコントラストを楽しむ。また、プレキシガラスを用いたボリューム感のあるデザインヒールも新登場。同素材を用いたクラッチバッグもラインアップする。

GIUSEPPE ZANOTTI

 19年に25周年を迎える「ジュゼッペ・ザノッティ(GIUSEPPE ZANOTTI)」は、強みであるエレガントなヒールスタイルにあらためてフォーカス。特に印象的なのは、クリスタルを埋め込んだ斜めに傾くヒールが特徴のサンダル。ソール部分にプレートを入れて固定することで、安定感を実現しているという。ハイヒールのイメージが強いブランドだが、今シーズンはよりウエアラブルな低めのヒールも充実。パイソンの型押しレザーは、鱗の剥がれ具合までリアルに再現している。一方、サテンやPVCの芍薬モチーフやクリスタルのベルトを大胆に配したサンダルのようなドラマチックなデザインも見物だ。また、若手デザイナー支援の一環として、ニューヨークを拠点にするクリスチャン・コーワン(Christian Cowan)とのコラボによる腕時計モチーフをデザインしたシューズも発売する。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。

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