作業着のワークマンが1日に発表した9月度の既存店売上高は、前年同月比28.1%増だった。9月5日にららぽーと立川立飛(東京)に1号店を出したカジュアル業態「ワークマンプラス(WORKMAN PLUS)」をきっかけに、機能的でコストパフォーマンスに優れた商品がテレビ、新聞、ウェブなど多方面で紹介されたことが追い風になった。「特に関東地方の店舗では、初めて来店される一般の新規のお客さまが目に見えて増えた」(同社)。既存店客数は21.8%増に跳ね上がった。
9月は大型台風など例年に比べて全国的に降雨量が多く、ファッション衣料の販売は総じて苦戦している。だが、ワークマンの場合は雨が味方した。レインウエア、長靴などの雨関連の商品を求める新規客がたくさん来店した。気温が下がったことで、エアロストレッチブルゾン、ウォームパンツなどの防寒商品も活発に動いた。「(実需が中心の作業服では)9月は端境期で売り上げは下がるが、今年はずっと高い水準で動いた」という。
全国で800店以上の店舗網を持つワークマンは、建設や土木などの現場で培った機能的な作業服に、アウトドアウエアやスポーツウエアのテイストを盛り込んだプライベートブランドを2016年から展開している。これらがバイクや釣りなどの愛好家の目に留まり、SNSで拡散され、いわゆるガテン系の顧客以外の人たちが店を訪れるようになった。4〜8月の既存店売上高も同8.9%増と高い伸びで推移していた。