米時計大手のフォッシルグループ(FOSSIL GROUP以下、フォッシル)はハイブリッド・スマートウオッチ技術についてシチズン時計(以下、シチズン)とライセンス契約を締結した。ハイブリッド・スマートウオッチは、見た目は普通の時計でありながら、限定的にデジタルコネクテッド機能を搭載した時計で、多くはスマートフォンと連動し、通知や歩数計測などをする。
「スマートウオッチ市場の規模や成長を考え、われわれは同市場に本格的に参入する」と戸倉敏夫シチズン社長兼最高経営責任者(CEO)。「この提携はその決意の表れであり、われわれとフォッシルは協力して互いの強みを最大化し、スマートウオッチ分野におけるリーディングカンパニーになる」。
シチズンはフォッシルの技術を用いてハイブリッド・スマートウオッチのムーブメントを製造し、同ムーブメントおよびそれを搭載した時計を発売する。また、両社はスマートウオッチ分野の開発を共同で行っていく。
フォッシルにとって技術ライセンス契約の締結は初めてだ。「時計とムーブメントの世界でもトップクラス企業であるシチズンとの協業により、ハイブリッド・スマートウオッチの認知度と普及率を高めることができる」とコスタ・カーツォティス(Kosta Kartsotis)=フォッシルCEO。「この提携はわれわれが技術開発に投資し続けてきた成果であり、ウエアラブルカテゴリーと時計業界を発展させてきた手腕の表れだ。ハイブリッド市場に革新的な新商品を提案すると同時に製造費の改善も図る」。
フォッシルはグーグル(GOOGLE)のプラットフォームWear OSを主要パートナーにしており、同時にハイブリッド・ウオッチソフトウエアも提供している。技術に関しては2015年に2億6000万ドル(約296億円)で買収したウエアラブル企業、ミスフィット(MISFIT)が、大きく貢献している。フォッシルは買収以降、「フォッシル」や「スカーゲン(SKAGEN)」などの傘下ブランドはもちろん、ライセンス展開している「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」や「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ディーゼル(DIESEL)」などで、ハイブリッドやフルタッチスクリーンのスマートウオッチを発売してきた。