ワールドとTSIホールディングスは10月から、同一商業施設に納める商品を同じトラックで輸送する取り組みを開始した。関東1都6県のファッションビルやショッピングセンターなど39館への納品から着手し、対象店舗・エリアを順次拡大する。
9月に一部店舗で共同配送を試験実施し、効果の大きい商業施設や利用する物流会社を絞った。対象となる関東圏の7物流センターから出荷される商品は、両社の物流量合計の約10%。この規模で削減できる物流コストは両社全体の1~2%に留まるが、物流会社がドライバー手配を最適化できるなど、期待できる効果は他にもあるとみる。
ワールドは2016年に大型物流拠点「ワールドディストリビューションセンター」(千葉県船橋市)を新設し、TSIは生産・物流管理機能に特化した子会社TSI・プロダクション・ネットワークを立ち上げるなど、両社は独自で物流の効率化を進めてきたが、昨年末より話し合いを進め、今年3月に取り組みを具体化させた。
近年の物流業界の深刻なドライバー不足により運賃高騰が続く中、今回の協業の目下の目的は物流の効率化によるコストの削減。だが中長期的には、他社の参画を促し、持続可能な物流体制を作ることを目標に掲げる。両社は「ネットワークを拡大することで、ファッション業界における物流プラットフォームの構築を目指す」としている。