アマゾン(AMAZON)は、11月1日から同社の米国内の従業員の最低賃金を時給15ドル(約1700円)に引き上げると発表した。対象は25万人以上の従業員と、年末商戦時に短期雇用される10万人だ。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)創業者兼最高経営責任者は「当社への批判的な意見を真摯に受け止め、業界の先頭に立つことに決めた」と話し、同業他社や大手雇用者にも賃上げを求めた。
また同社は米国内の従業員に、歯科や眼科の医療を含む包括的なヘルスケアや、生命保険や身体障害保険、20週までの育児有給休暇、確定拠出型年金401kプランも提供するという。
アマゾンの従業員の扱いについては引き続き懐疑的に見る評論家もいるが、今回の賃上げによって業界全体に貢献していると好意的な視線を集めている。
ジェイ・カーニー(Jay Carney)=グローバル・コーポレート・アフェア シニア・バイス・プレジデントは「最低賃金を上げるよう議会に支援を求めたい。米連邦政府が定めた時給7.25ドル(約800円)は10年近く前に決まったものだ。何千万もの米国人にとって大きな問題である最低賃金の引き上げに声を上げていきたい」と語った。
段階的にではあるが、賃上げに取り組んでいる企業は他にもある。米小売最大手ウォルマート(WALMART)は、トランプ米政権による法人税引き下げを受けて1月に最低賃金を時給11ドル(約1200円)とした。米大手量販店のターゲット(TARGET)も17年に最低賃金を時給10ドル(約1100円)から11ドル(約1200円)に引き上げ、20年までに15ドル(約1700円)に上げるという。