9月25日に新会社として再スタートを切ったウィゴーは、「実店舗の再強化」をテーマに掲げて既存店の底上げに取り組む。前取締役ウィゴー事業部長で今回、新会社のトップに就任した園田恭輔・社長(39)は「今は足元固め。本部主導だけではなく、(店頭の)現場の力をもっと生かす態勢にしたい」と話す。新たに筆頭株主になった投資会社J-STARによる財務やシステム面での後押しを受けて、店頭改革にまい進する。
すでに店頭改革は昨年から取り組んでおり、今年3〜8月期の既存店売上高は前年同月比3%増、粗利益は10%増と成果をあげている。在庫コントロールを精緻化し、商品あたりの予算を明確にすることで、商品のヒット率を高めて値引きを抑制した。また生産や物流にかかわるコスト削減も寄与している。
同社は2010年から15年までの出店攻勢で売上高が3倍に跳ね上がる急拡大を遂げた。だが、その反動も大きかった。「今思えば異常な急成長で、適正な商品量が見えなくなっていた」(園田社長)と反省し、この数年は出店ペースを下げ、売上高よりも利益改善に軸足を置いてきた。その過程で、筆頭株主や経営トップが3度も変更される混乱があったものの、商品と販売の現場では地道に改善を進めてきた。今期(19年2月期)の売上高は前期比5%増の380億円の見通し。新体制で在庫コントロールの精度にさらに磨きをかけるという。
引き続き出店は立地を厳選して進める。主力業態の「ウィゴー(WEGO)」ではウィメンズ、メンズのアパレルだけでなく、化粧品や雑貨、祖業である古着に再び力を入れており、これらの幅広いアイテムで構成した店舗を強化する。ショッピングモールでは198平方メートル前後の店舗が多いが、今後はこれを396平方メートル前後に増床し、取扱商品を増やす。