シンガポール発のシューズとバッグのブランド「チャールズ&キース(CHARLES & KEITH)」は6日、名古屋の栄エリアに約280平方メートルの店舗をオープンする。2016年12月にオンワードホールディングスとの合弁を解消し、リアル店舗を全店閉鎖していた。再出店の第一号店になる。昨年10月にジャパン社のトップに就任した青木洋明チャール&キースジャパンジェネラル・マネージャーは「前回は立ち上げを急ぐあまり、郊外モールなどにも出店するなど手を広げすぎていた。今後3年は都心のファッションビルや路面に絞って、ブランディングと認知度向上に力を注ぐ。10〜15店舗を出店する計画だ」と語る。
「チャールズ&キース」は1996年にシンガポールでシューズブランドとして設立、現在は35カ国で552店舗を展開している。週1度は新商品を投入する、超高速回転の商品投入と多彩なデザイン、リーズナブルな価格を武器にする、シューズとバッグ版の“ZARA”。青木ジェネラル・マネージャーは「中国を中心にしたアジアでは猛烈な勢いで成長している。アパレルと異なり、ウィメンズ分野でトレンドに強く、価格訴求力のあるバッグとシューズは世界的に見てもブルーオーシャン状態。日本市場でも充分に勝算はある」。
名古屋を皮切りに、年内にも東京に路面店とファッションビルへの出店を計画する。「リアル店舗はブランドの世界観と商品力をじっくり見せる場。出店により、エリアでの認知度を高めることで、公式通販で数字を取りに行く。出店先は未定だが大阪にもできるだけ早く出店したい」という。名古屋店は世界的に見ても最大規模の約280平方メートルだが、今後はグローバルで標準サイズの150平方メートル規模で出店する。
売り上げの核になるのはリアル店舗以上にECになる。3年後15店舗に拡大した時点でも「EC化率が50%を切ることはない」とも言う。実際に名古屋店でも店舗にない商品は積極的に公式通販サイトに誘導する。
店舗は名古屋パルコの向かいに位置し、パルコが運営する中型商業施設ゼロゲート内にある、「ストラディバリウス(STRADIVARIUS)」跡地。ゼロゲートは売上高に応じて家賃を払う通常の商業施設と異なり、路面店と同じ定額制の家賃になっており、「チャールズ&キース」名古屋店でも積極的なオムニコマース施策を展開する。
青木ジェネラル・マネージャーはザラ・ジャパンで店舗開発などを手掛けたリテールビジネスの専門家。「チャールズ&キースは外資系企業だが、ローカライズに柔軟に対応するのも大きな特徴だ。商品の一部は歩行距離の長い日本市場に対応するため、通常2ミリのソールの厚みを日本商品では4ミリにした。今年に入ってからは日本人モデルを起用し、制作したビジュアルを使ったSNS施策で公式通販サイトが猛烈に伸びている」という。