オンワードホールディングス(HD)は、子会社が展開するオーダーメードスーツ業態「カシヤマ ザ・スマートテーラー(KASHIYAMA THE SMART TAILOR)」で北米と中国に進出する。早ければ来年にも拠点を設け、海外で手薄だったビジネスウエアを拡販する。
2017年10月にスタートした「カシヤマ ザ・スマートテーラー」は今期(19年2月期)、当初の予想を大幅に上回る5万3000着の販売と36億円の売上高を見込む。19年2月には中国・大連の第2生産工場の稼働により生産能力を2.5倍に上げ、年10万着のオーダーにも対応する態勢になる。さらには第3工場の拡充も検討する。現在の取り扱いは直営店と完全予約制のメジャー&オーダーサロン「ガイドショップ」を合わせて25拠点あり、期末までに50拠点へと増やす計画だ。
「若い世代を中心に、自分にはどういうものが合っているのかを慎重に見極めるようになってきている」と保元道宣オンワードHD社長は分析する。7月からスタートしたストライプインターナショナルとの戦略的パートナーシップを活用し、ストライプが得意とする20代女性に向け、就活用スーツとして「カシヤマ ザ・スマートテーラー」を提案する計画もある。
保元社長は「業界は環境変化の転換点にあり、適応には時間がかかる。『カシヤマ ザ・スマートテーラー』の現在の収益は大きくないが、これは先行投資だ。中長期的には方向性は見えてきている」と先を見据える。