「シャネル(CHANEL)」は毎シーズン、ショーの演出で観客を驚かせ、そして楽しませてくれる。今シーズンは、いつもの会場であるグラン・パレになんとビーチを作ってしまった。青空の下、打ち寄せる波のリズムも超リアルで耳に心地よい。ショーの始まりを待つ間、招待客は靴を脱いで裸足で水に入って記念撮影を楽しんでいた。ここはまるで大人のためのテーマパークみたいだ。
モデルたちもフィナーレでは裸足になって砂浜の上をはしゃぎながら行進。水の掛け合いっここそしないものの、ウオーキングを楽しんでいることが伝わってくる。明るいパステルカラー使いの服や、ロゴを大胆に使ったアクセサリーなど、奇をてらうことなくファッションをポジティブに楽しむ提案がパワフルだ。
ツイードジャケットは、ピンク、黄色、水色とお菓子のラムネのようなカラーパレットと、ゆったりとしたシルエットが今季の特徴。肩幅は広く、袖は太く、カーディガン感覚で羽織る姿が海辺に似合う。スカートも長いスリットが入り、リラックスしている。
また、今季はいつも以上に大胆なブランド名やマーク使いが目を引く。カイヤ・ガーバー(Kaia Gerber)が着たシャツは、右ポケットに “CHA”、左ポケットに “NEL”の文字。さらに、右耳には “CHA”のイヤリングを、左耳には “NEL”のイヤリング。チェーンベルトでも “CHANEL”の文字が揺れる。
アクセサリーも夏の海辺のリゾートが似合う。キルティングのチェーンバッグ2個持ちというインパクトあるスタイルからスタートし、“CHANEL”の文字を前面に打ち出した装飾やアクセサリーが目を引く。ブランドのマークを大胆にあしらったPVCのサンダルは大ヒットしそうだ。