靴とアパレルのネット通販サイト「ロコンド」を運営するロコンドの株価が12日、急騰した。同日発表の2018年3〜8月決算で、売上高が前年同期比61.7%増の28億円、通販サイトの規模を示す商品取扱高(返品後)は同36%増の62億円と、いずれも大幅増になったことが原因のようだ。営業損益が4億2400万円の赤字(前期は6200万円の黒字)、経常損益が3億1500万円の赤字(前期は4900万円の黒字)だったものの、期初に発表した中期経営計画の中で、19年3月期は成長フェーズとして積極的なCM投資を行い、営業赤字になることは予め公表しており、赤字は織り込み済み。12日の株価は前日比15.6%高い1919円になり、年初来最高値を更新した。また、ギフト小売り大手のシャディ買収のためにラオックスと共同で設立したファンド、Lキャピタルの持ち分40%のうち30%を売却したことで、純利益も22.8%増の6500万円になったことも好感を呼んだ。
田中裕輔ロコンド社長は「ネット通販の成長のためには在庫の確保が何よりも重要。物流委託や自社EC支援などで在庫を集める戦略が、高い成長に繋がっている」と語った。同社は自社運営の「ロコンド」に加え、ブランド側の公式通販サイトの運営を受託する自社EC支援、リアル店舗向けの物流受託など、“在庫の共通化”と呼ぶ独自のオムニコマースビジネスを推進している。
下期は10月1日付でシューズ卸の三鈴商事を子会社化しており、百貨店や専門店向けのリアル店舗のIT化支援を本格化。19年春までに、基幹システムの無償提供などを柱にした新しいサービスをスタートする計画だ。