高島屋の2018年3~8月期は、売上高に相当する営業収益が前年同期比1.9%増の4415億円、営業利益が同3.4%減の134億円、純利益が同2.5%減の87億円だった。日本橋高島屋S.Cの開店や本館の改装などの先行投資に伴い、減益となった。
主力の百貨店事業の営業収益は同1.8%増の3837億円。国内はメンズ・ウィメンズともにアパレルは不調だったが、インバウンド需要の継続的な伸長や富裕層を中心とした底堅い消費に支えられ、高額品や雑貨が特に売れた。免税売上高は同25%増の283億円。「インバウンドは西高東低」(木本茂・社長)の傾向は変わらず、関西空港から訪れる外国人旅行者の増加を追い風に、店舗別売上高は大阪店が同5.1%増、京都店が同3.7%増と伸びた。
インバウンドや富裕層が支える大都市の店舗が好調な一方で、郊外・地方店の売上高は1.6%の減収。木本社長は、10フロアの内7フロアを専門店が占める構成にリニューアルした立川高島屋S.C.を例に「専門店を増やし、館全体の魅力を引き出す戦略を地方にも波及させることで成長を図っていく」と展望を述べた。
海外ではシンガポール店が開業25周年記念の営業施策などが奏功、ホーチミン店も現地経済拡大などにより増収だった。上海店も赤字幅を縮小した。「稼いだキャッシュを投資に振り向ける」(木本社長)と、11月にはタイ・バンコクにサイアム高島屋をオープンし、2年目をめどに黒字化を目指す。