若手デザイナーの登竜門と呼ばれる「2018年度 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」は17日、渋谷ヒカリエでジョイントショーと表彰式を開催した。アマチュア部門は中部ファッション専門学校の伊藤里緒さんが大賞を、プロ部門は「バルムング(BALMUNG)」が東京都知事賞をそれぞれ受賞した。
今回のアマチュア部門では国内外7カ国から5328点の応募があり、そのうち25人が最終審査にノミネートされた。会場には、ファッション専門学校を中心に全国から学生が来場し、ショーを見守った。審査員長を務めた田山淳朗「A.Tアツロウ タヤマ」デザイナーは「どの作品も個性的でクリエイティビティ―にあふれ、そして繊細だった。中でも伊藤里緒さんの作品は自分の心の中にある、消えてゆく寂しさや忘れられる悲しみを刺しゅうで全身に表現しており、個性的でダイナミックだった」と審査の講評を行った。また、会場の学生たちに向けて「ここから新たに羽ばたき、2020年代のファッションを引っ張っていってほしい」とコメント。大賞には、賞金100万円と東京・パリの往復航空券が贈られる。
プロ部門は毎年10人が選出され、最長3年のビジネス支援が与えられる。同日には、10ブランドの中から「バルムング(BALMUNG)」「アズマ(AZUMA.)」「カイキ(KAIKI)」「ラス(l’A.S)」「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」の5ブランドが最新コレクションを披露した。審査で最高位を獲得した「バルムング」の城下龍一(通称ハチ)デザイナーは、「最初はまさか自分がと驚いたが、自分に自信をつけることができた。これからも頑張っていきたい」と意気込みを語った。
「2018 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」は、アマチュア部門を繊維ファッション産業協議会と日本ファッション教育振興協会が共催し、プロ部門を同協議会と東京都が主催している。