伊藤忠商事が日本における独占輸入販売権を持つイタリアのダウンウエアブランド「ムーレー(MOORER)」が、銀座に旗艦店、ムーレー銀座をオープンし、17日に関係者向けに披露した。イタリア・ミラノに続くグローバル旗艦店の2店舗目で、地上1、2階からなり、敷地面積は26平方メートル。店舗を構成するダークブラウンとアンティークゴールドは「ムーレー」のイメージカラーであり、イタリア製の大理石をふんだんに使用している。来日したモレノ・ファッチンカーニ(Moreno Faccincani)最高経営責任者に、日本のビジネスのこれからについて聞いた。
WWD:日本での主な販路は?
モレノ・ファッチンカーニ最高経営責任者(以下、ファッチンカーニ):百貨店と、ビームスF、ユナイテッドアローズ、エストネーションなどのセレクトショップが5:5だ。ここにムーレー銀座が加わる。男女比は日本の場合9:1だが、これも5:5に近づけたい。つまりウィメンズの強化が命題で、認知の拡大、ブランディングが必要だ。そのための旗艦店オープンでもある。
WWD:「ムーレー」のプライスゾーンは?
ファッチンカーニ:中心価格帯はメンズのダウンジャケットが18万~25万円、ウィメンズのダウンコートが15万~50万円だ。
WWD:ムーレー銀座のオープンを記念した限定アイテムの発売は?
ファッチンカーニ:男女1型ずつ、同店舗限定のアイテムを17日から販売する。
WWD:グローバル市場における日本のシェアと国別の売り上げ順位は?
ファッチンカーニ:日本市場は15~16%を占める。本国イタリア、先行したロシアに次ぐ3番手だ。しかし将来的には日本が1位になるだろう。それほど成長率は高い。
WWD:ミラノ、東京に続く出店計画は?
ファッチンカーニ:モスクワ、モンテカルロ、ニューヨーク、ハンブルクを予定している。
WWD:日本市場では「カナダグース(CANADA GOOSE)」や「モンクレール(MONCLER)」が人気だが、他ブランドにはない「ムーレー」の強みは?
ファッチンカーニ:他の追随を許さないクオリティーだ。軽量で保温性の高いホワイトグースダウンはもちろん、その洗浄や縫製もイタリア国内で行っている。ボタンやファスナーなど副資材は特注し、全て手作業で取り付けている。コストは同カテゴリーのダウンウエアに比べ5倍以上かかるが、ディテールを積み上げることで高級感が生まれている。100%メード・イン・イタリーのダウンブランドは「ムーレー」だけだ。
WWD:今春、「5年後に売上高20億円を目指す」と話したが、変わりはない?
ファッチンカーニ:卸が好調で9月28日には銀座店もできた。5年後の目標を「売上高30億円」に上方修正したい。ムーレー銀座で実物に触れ、多くの方にブランドの世界観を感じてほしい。
■ムーレー銀座
時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
住所:東京都中央区銀座4-3-13 コイズミビル1、2階