梨花がプロデュースする東京・代官山のセレクトショップ「メゾン ド リーファー(MAISON DE REEFUR) 」が9月29日、リニューアルした。“日常を気持ちよく生きたい”をコンセプトにした新ライン“M”をスタートし、自ら世界をまわって買い付けた家具や食器、コスメなどもそろえる。今の自分の生き方を反映した新ラインへの思いとは?
WWD:新ライン“M”をスタートしたきっかけは?
梨花:モデルとしての仕事や「メゾン ド リーファー」のプロデュースをする中で、たくさんのモノに出合う機会もあるし、モノに溢れていたときもあるのですが、いろいろなことを経験し年齢を重ねていくうえで、整理したい気持ちや生き方としても、もう少し違う価値観を気にするようになったことがきっかけです。今一度立ち止まって深呼吸し、私自身を見つめ直したときに、厳選したモノと丁寧に向き合っていきたいと思うようになり、“M”をスタートしたんです。
WWD: “M”はキャミソールやタンクトップ、Tシャツ、デニム、パーカ、ガウンコートといったベーシックアイテムが中心ですね。
梨花:日常を気持ちよく生きる、肌に親密であること=“INTIMATE”がコンセプトです。そしてどんな格好の女の子でも“これは着るんじゃないかな”と思ったアイテムで、あまり型数は欲張らずに提案しています。サイズはこれまで選んでいなかったようなサイズ感です。私の中では、“ゆったり”でも“リラックス”でもなく、“大胆でダイナミック”なサイジングという言葉がしっくりきますね。
WWD:肌触りや素材へのこだわりは?
梨花:すごく良い素材にこだわった時期もあるのですが、なんだかんだ言ってもコットンが心地良いなとか、やっぱりカシミヤが入っているほうがいいとか。良い素材だから気持ちいいっていうのと、着ていて気が楽で気持ちいいっていうのもあるから、そういう意味で両軸で考えています。ちゃんとしたのをずっと着ていると、意外と疲れちゃうこともありますし。自分が“これさえあれば気持ちよく生きていけます“っていうところに忠実に、まずそこがあればいいっていう感じですね。
WWD:生き方や心の中の変化が一つのかたちになったのが“M”?
梨花:そうですね。これまでは一つの服を何度も着ることがあまりなかったのですが、1回目より2回目着たとき、2回目より3回目着たときに、その服の良さだったり、そのブランドについてより深く理解しようと思う気持ちだったりが強まりましたね。それを楽しんでいったときに、例えばこれまで5着買っていたのを1着にしたら、厳選した分のお金が浮いているわけじゃないですか。その分で貯金するのもいいけど、それが美容だったりインテリアだったりを含め、生活していく中での身の回りに置いておくものも、限られた中で厳選してくのは割と楽しくて、今気持ちいいなって。
WWD:それが今回のリニューアルにおける家具やコスメの拡充にもつながっている?
梨花:ショップ名の「メゾン ド リーファー」の“メゾン”にあるように、原点に戻って服だけではなく、国内、海外含め、自分で足を運んで選んだ家具や美容も充実させました。私にとってのファッションって、服は一部であって全てではないんです。自分が勉強不足だったりとかいろいろあったりして、圧倒的に服が多くなっていたのですが、やっぱり「メゾン ド リーファー」っていろんなものがあってほしいって思ってたんです。私自身が家具とかインテリアが好きだし、器も好きだし。だから生活雑貨を充実させました。ジャンルは増えましたが、パリ、ミラノ、ニューヨーク、国内をまわって一つ一つ厳選して選んだものです。
WWD:美容のコーナーで特にこだわったところは?
梨花:ホワイトニングやニキビ、乾燥などの悩みにも応えられるプロダクトは全て置いているんですが、私が今回大切にした美容のコンセプトは、クリアな気持ちでプロダクトや自分と心から向き合うということ。心からキレイになるということかな。服もそうですが全部つながっているんですね、結局。キレイになりたい、まずお洒落な部屋に住みたいとなったら、まずお掃除してほしいんです。整理整頓し、キレイにするところからだと思うし、それが私の好きな思考方法なんですが、それでも散らかるんですよね、やっぱり女の子って(笑)。でもたぶん、本当の意味でその大切さが胸に落ちてきたから、今回こんな風にショップを作れたのかなとは思いますね。
WWD: 自身のライフスタイルも変わりましたか?
梨花:最近はあれこれすぐ買わないようにしています。定期的に断捨離しているんですが、先日だいぶ処分してクローゼットはすっからかん(笑)。3分の1くらいに減りましたね。
WWD:それはヨガをしていたり、ハワイに住んでいたりすることで、少しずつ変わってきたことですか?
梨花:そうだと思います。ハワイに住んでいることは大きいのかな。ただやっぱり、これまで約7年間「メゾン ド リーファー」を作ってきているいろんな経験がかなりあると思います。
WWD:「メゾン ド リーファー」をプロデュースするうえで一番うれしい瞬間はどういうときですか?
梨花:皆が協力して作り上げていく中で、例えばオープンの前日までソファが届かなかったり、向かっている方向を見失いそうになったり(笑)。でも最終的に形になったときってたまらないです。大変だった分、感動もひとしおです。美容部屋の棚のコスメは、今あるものの何十倍もの商品を試して、ホントにちゃんと全部選んでいるし。新しい棚を美容部屋に作ってもらって並べているときは、幸せな気持ちでした。
WWD:これから強化したいことは?
梨花:今、ウェブをすごく強化していて、インスタグラムからそのままお買い物ができるようにもしています。代官山に来てもらってお店で体感してもらいたいなっていうのはあるのですが、ウェブの世界でもどうしたら感じてもらえるかなっていうところをさらに追求して、広げていきたいですね。