オンワードラグジュアリーグループ(ONWARD LUXURY GROUP以下、OLG)は、伊新進デザイナー、サミュエル・ファイリ(SAMUELE FAILLI)が手掛けるフットウエアブランド「サミュエル・ファイリ」とライセンス契約を結んだ。OLGは同ブランドの製造と販売を請け負う。
ファイリはOLGについて「立派な大手グループと提携でき、非常にうれしく思う。すでに素晴らしい仕入れ先も紹介してもらっており、製品カテゴリーの幅も広がりそうだ」と話した。
ファビオ・ドゥッチ(Fabio Ducci)OLGシューズ部門責任者は同ブランドの事業展開については、「米国ではすでに好評を得ているので、さらに力を入れていきたい。新規市場の開拓も検討しており、日本、韓国、中国などアジア市場を考えている」と語った。ニューヨーク、パリ、ミラノ、東京の自社ショールームを通じて販売していくという。また「サミュエル・ファイリ」の生産を担うエクスクルーシブ(EXCLUSIVE)が同ブランドの株式3割を所有している点については、「エクスクルーシブはすでに当社のネットワーク内にある製造業者であり、今後も『サミュエル・ファイリ』や他ブランドの生産拠点として重要な役割を担う」と話した。
サミュエル・ファイリはロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、04年にプラダ グループ(PRADA GROUP)に入社。11年に退社し、ロンドンの「トム フォード(TOM FORD)」やパリの「サンローラン(SAINT LAURENT)」で経験を積んだ。その後、「アライア(ALAIA)」のヘッド・フットウエア・デザイナーを務めた。16年に「サミュエル・ファイリ」を立ち上げ、17年2月にミラノ・ファッション・ウイーク期間中にコレクションを発表。立体的な装飾が施されたアンクルブーツやエレガンスと履き心地のよさを備えたフラットシューズなど全ての製品の靴底に、ブランドのシグネチャーコインが施されているのが特徴だ。
「サミュエル・ファイリ」は、ミラノのアントニア(ANTONIA)、英ハーヴェイ・ニコルズ(Harvey Nichols)、米バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)などの高級小売店や、英ラグジュアリーECサイト「マッチズファッションドットコム(MATCHESFASHION.COM)」で販売されている。価格は450~600ユーロ(約5万8000~7万7000円)。
OLGは13年に親会社オンワードホールディングスがジボ(GIBO)とイリス(IRIS)を統合して設立。「ジル・サンダー(JIL SANDER)」や「シャーロット オリンピア(CHARLOTTE OLYMPIA)」「ラ・メゾン・モロー(LA MAISON MOREAU)」などのブランドを傘下に置く。