2018年3~8月期連結決算で営業損益の黒字化に成功したサマンサタバサジャパンリミテッドは、“原点進化”をテーマにさらなる改革を進める。
同社は今期、不採算店舗を中心に店舗削減を続けてきたが、連結子会社バーンデストローズジャパンリミテッドやエスト傘下の「スウィングル(SWINGLE)」や「レストローズ(L’EST ROSE)」をはじめとするアパレルブランドの店舗については今後、出店数を増やしていく。
また、EXILE TRIBEの白濱亜嵐らを起用したウェブドラマを制作したり、公式アプリ上でスタッフと顧客間で相互コミュニケーションを取ることができる機能を実装するなど、これまではテレビに比重を置いていたコマーシャルをSNSやウェブにシフト。この結果、広告宣伝販促費は前年同期比46.8%減を達成した。18年3月には中国最大の決済サービス「アリペイ」とビットコインによる決済サービスを導入するなど、ECにも注力していく。
同社は人材育成にも力を入れる。接客ロールプレイング大会の実施や寺田和正・会長兼社長による販売スタッフ1500人との面談を行った他、通常付与される賞与とは別に、特別報酬制度「ドリームボーナス」を新設するなど、社員のモチベーションアップに努める。
なお、同社は2020年に創業25周年を迎えることから、20年3月期から新規プロジェクトを立ち上げる。概要発表は11月の予定で、寺田会長兼社長は「原点進化した『サマンサ』を見せる。下期も非常に大事な時期だと考える」と意気込みを語った。同社は19年2月期連結決算の業績予想を上方修正こそしたが、下期については当初の見通し通りと慎重な姿勢を見せる。