この秋最大のデザインとアートの祭典「デザイナート・トーキョー 2018(DESIGNART TOKYO 2018以下、デザイナート)」がスタートした。昨年に続き、2回目となる今年のテーマは「エモーションズ 感動の入り口」。スウェーデンをパートナーカントリーに迎えるなど、さらにパワーアップしている。
建築とファッション、インテリアとアートなどがクロスオーバーする東京ならではのクリエイションを楽しめるイベントだ。海外からは、注目のアーティストであるべサン・ローラ・ウッド(Bethan Laure Wood)やスウェーデンの国宝級アーティストのインゲヤード・ローマン(Ingegerd Raman)なども来日し、イベントを盛り上げる。青山や六本木など都内各所で展示が行われているので、街歩きにもぴったり。約120もある展示の中から、今年の見所を一挙に紹介する。
スパイラル表参道「ペリエ ジュエ」ベサン・ローラ・ウッド × 松村和典
「デザイナート」のオフィシャル・シャンパーニュブランド「ペリエ ジュエ」はイギリス人アーティスト、ベサン・ローラ・ウッド(Bethan Laure Wood)とタッグを組み、シャンパーニュとシャンパーニュを楽しむためのアート作品を披露。会場のデザインは、空間デザインを基軸に商業的なインスタレーションやディスプレーを国内外で行なっている松村和典が手がけた。
エイベックスビル 外苑前藤元明・永山祐子 「2021#Tokyo Scope」
「2021#Tokyo Scope(トーキョー・スコープ)」は、アーティストの藤元明と建築家の永山祐子によるインスタレーション。2020年のオリンピック・パラリンピック以降の東京、日本の未来を考える象徴として創造されている。巨大な展示に度肝を抜かれる。
フレッドペリー表参道板坂諭「Neba Chair」
コンパクトに設計した椅子を通して、木を身近なものとして捉え、地域の独自性や多様性が感じられる展示になっている。板坂は、森林や環境、経済格差の問題などを考えるきっかけとなるようにと「Neba Chair(ネバ・チェア)」 を企画。テレビのブラウン管を再利用したオブジェのような照明作品も展示している。
カナダグース千駄ヶ谷藤本壮介「Particles of Life」
圧倒的な防寒力の高さとスタイリッシュなデザインのダウンジャケットが大人気の「カナダグース(CANADA GOOSE)」。このブランドの技術力、品質、エコロジカルな精神を体現する千駄ヶ谷店のウインドーのデザインを、建築家の藤本壮介が手がけた。
リステア六本木ヨシロットン「LIGHTPIT」
「LIGHTPIT(ライトピット)」と名づけられた光をテーマにした作品。レイヤーでつないだ自然素材である大理石とそれとは対照的な工業素材のアルミに、ネオンの光を当ててコラージュしている。
ヒダ ミッドタウン東京 六本木鹿児島睦「穂高」
岐阜の家具メーカーである飛騨産業が、優雅なデザインと堅牢なつくりが特徴の家具シリーズ「穂高」の誕生50 周年を記念し、人気アーティストの鹿児島睦によるオリジナルファブリックをまとったバージョンを発表した。
タイム & スタイル ミッドタウン東京 六本木クラーソン・コイヴィスト・ルーネ「ヴィラ・ヴィードルンド」
スウェーデンのデザインユニットであるクラーソン・コイヴィスト・ルーネ(Claesson Kolvisto Rune)が7年前にアートコレクターのための海辺の個人住宅プロジェクト「ヴィラ・ヴィードルンド」は、彼らの最高の建築作品の一つで、この場所を再訪し、7年間の軌跡を模型や写真、スケッチなどを通して振り返った。
アクシスビル 六本木沖津雄司 / 氷室友里 / YOY / RHTMA
4組の若手クリエイターが、アクシス ビル内でそれぞれのコーナーが持つ個性を生かして独自の世界観を表現している。日本では初のお披露目となる、みずみずしい感性があふれる作品に注目。
ラブレス 青山 表参道MOTTY「Unreal Show」
中毒性のある色使いとエッジィでシュールな表現を得意とするMOTTYが、多彩なグラフィックデザインでウインドーを彩る。
カラー青山落合陽一「Silver Floats」
波の源を形にした彫刻を展示。この物質的な鏡は、物質でありながら重力に逆らい、形でありながら反射によってそれ自体の形から解放される。メディアアーティストの落合陽一によるコンセプチュアルな作品。
フリッツ・ハンセン青山鈴木啓太「exponential」
プロダクトデザイナーの鈴木啓太が手がけたガラススピーカー「exponential(エクスポネンシャル)」を用いたサウンドインスタレーションを開催。iPhoneから流れる音を楽しむスピーカーのために、サカナクションの山口一郎がサウンドを提供している。