通販大手の千趣会は26日、大規模なリストラを実施すると発表した。グループで約280人の希望退職者を募集するとともに、大阪本社を売却し、財務体質の改善につなげる。業績不振の責任をとる形で星野裕幸・社長は退任する。
「ベルメゾン」のブランドで知られるカタログ通販大手として成長してきた同社だが、近年はECへの移行が遅れ、低迷に歯止めがかかっていない。2017年12月期は希望退職者募集に134人が応じたこともあり、110億円の最終赤字に沈んだ。15年に結んだ百貨店大手のJ.フロント リテイリングとの資本提携も今年3月に解消。今期(18年12月期)も90億〜103億円の最終赤字を見込んでいる。
今回のリストラは人員の削減や大阪本社の売却以外にも、大幅に増加していた取扱商品の集約、商品発注予測の精度アップによる在庫管理の徹底、組織のスリム化など広範囲に及ぶ。これらの再建策を実行し、21年12月期に売上高920億円以上(17年12月期実績は1255億円)、営業利益40億円以上(同42億円の赤字)の達成を目指す。