「ユニクロ(UNIQLO)」を擁するファーストリテイリングが、ジーンズの加工工程の水使用量を最大99%、平均90%以上(2017年の同型商品と比較した場合)削減する技術を開発した。
「ユニクロ」では2018-19年秋冬シーズンから、メンズの“レギュラーフィットジーンズ”に、傘下の「ジェイ・ブランド(J Brand)」でも同シーズンから“サステイナブル・カプセル・コレクション”にこの技術を導入する。19年にはこの技術で両ブランドが、同社グループのジーンズ全生産量の約3分の1に相当する約1000万本のジーンズを生産するほか、20年までにグループ傘下の全ブランドで生産・販売するジーンズにこの技術を導入する。
この技術は、ナノバブルやオゾンでジーンズを洗うウオッシュマシーンとジーンズデザイナーの熟練技術をかけ合わせることで、品質やデザインを保ちながら従来に比べ、加工工程の水使用量を大幅に削減するもの。「ユニクロ」は同技術を取り入れることで、メンズの“レギュラーフィットジーンズ”の加工工程で使用する水の量を冒頭に述べたような比率でカットすることに成功した。この技術導入による水の削減量を20年に生産予定の約4000万本のジーンズで試算すると、従来の生産方法に比べて約37億リットル削減することができる。また、加工工程で使用する軽石を半永久的に使える人工石に替えることで、水質汚染を軽減するほか、伝統的な生産方法では手作業で行ってきた「擦り」の工程にレーザー機器を導入することで、工場従業員の負担も軽減する。
この技術は、米ロサンゼルスにある同社のジーンズ研究・開発施設「ジーンズイノベーションセンター(JEANS INNOVATION CENTER)」が開発したもので、詳細は来年初頭に発表される。