オンライン中小企業のビジネス支援を行うECプラットフォームを運営するカナダのショッピファイ(SHOPIFY)の2018年7~9月期の売上高は、前年同期比57.5%増の2億7000万ドル(約299億円)、純損失が2300万ドル(約25億円)だった。
ショッピファイは11日、ロサンゼルスに最初の実店舗をオープンした。同社の製品やサービス、新たなテクノロジーを紹介すると共に、常駐するスタッフが顧客のビジネスについてアドバイスを提供する。同店舗でのコンサルティングサービスを告知したところ、24時間以内に600のセッションが予約で埋まったという。
また中堅オンライン企業を対象としたサービス“ショッピファイ プラス”も注目されている。月会費29ドル(約3219円)の基本サービスよりも手厚いサポートを月会費299ドル(約3万3189円)で提供する。同サービスは14年に始まり、同社の顧客の1%にしか利用されていないが、年間流通額は2100万ドル(約23億円)で、“ショッピファイ プラス”の月会費からの利益は収益全体の22%を占めるという。
エイミー・シャペロ(Amy Shapero)最高財務責任者は、「新たな製品やサービスを次々と投入しており、クリスマス商戦に向けて出店者のサポートも充実させている」とコメントした。
同社は米インテリアショップ、マグノリア マーケット(MAGNOLIA MARKET)とAR(拡張現実)テクノロジーを用いたアプリを共同開発した。このアプリを使ってインテリア商品の3Dイメージを選択すると、現実の部屋にその商品を置いたときにどう見えるか、サイズが合っているかなどを購入する前に確認できる。また、支払いサービス、“ショッピファイ ペイメント”も10カ国で提供しており、クレジットカード以外にも銀行振替を決済に利用できる。
ショッピファイはスノーボードを販売するEC企業としてスタートしたが、その時の悩みや課題からECプラットフォーム事業をスタートさせ、現在ではおよそ175カ国、60万社が利用しており、流通総額は約9兆円。その中には、カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)が手掛ける「カイリー・コスメティクス(KYLIE COSMETICS)」や「レベッカ ミンコフ(REBECCA MINKOFF)」などが含まれる。