ワコールホールディングス(HD)の4〜9月決算(米国会計基準)は売上高が前年同期比0.2%減の1018億円、本業の儲けを示す営業利益が同5.4%減の89億円、税引前純利益が同48.2%増の163億円、純利益が同53.2%増の113億円になった。純利益の大幅増は米国会計方針の変更に伴い、持ち分証券の評価益56億円を計上したため。
主力の下着が国内では卸売り事業の販売が4%減、子会社で水着販売のAiが苦戦し売上高は同22%減と苦戦を強いられ、国内事業は売上高が同3.0%減の585億円、営業利益が同5.3%減の49億円になり、全体を押し下げた。一方で海外では米国が百貨店の閉鎖などに伴い苦戦したものの、欧州と中国がともに好調で、海外事業は売上高が同3.9%増の288億円、営業利益が同7.6%増の38億円になった。
下期からはオムニチャネル施策を本格的にスタート。百貨店では購買データや体型データを共有化する取り組みをスタート。「すでに三越伊勢丹グループとはデータの共有化を完了しており、下期から顧客一人一人に向き合った接客をスタートする」(安原弘展ワコールホールディングス社長)という。他の百貨店にも順次広げていく考え。
子会社について安原社長は「来年度からスタートする次期中計で子会社の立て直しを大きなポイントにする」と語り、苦戦の続くAiと子会社で下着製造販売のルシアンの立て直しを急ぐ。