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「アスプレイ」がトレーサビリティーを確認できるスマホアプリを開発中

 イギリス発「アスプレイ(ASPREY)」を展開するアスプレイ・インターナショナルのジョン・リーガス(John Rigas)会長が来日した。「アスプレイ」は1781年にイギリス・ロンドンで設立された。英国王室御用達のブランドで、ジュエリーやバッグ、ホームコレクションなどライフスタイル全般を彩る商品を提供している。同ブランドは高級ホテルザ・リッツ・カールトン(THE RITZ CARLTON)のアメニティーでも知られる。来日したリーガス会長に話を聞いた。

WWD:「アスプレイ」のブランド哲学は?何が「アスプレイ」を他のブランドと違うものにしているか?

ジョン・リーガス会長(以下、リーガス):「アスプレイ」は長年、英国王室御用達を務めてきたブランドだ。カテゴリーもジュエリーやバッグ、シルバーウエアやボーンチャイナといったホームコレクション、ウオッチなどさまざま。初版本の装丁なども手掛けるし、ゲームなどもある。他のブランドにはないものが「アスプレイ」では見つかる。もともと、世界中の王国貴族や富裕層からオーダーを受けるビスポークビジネスが中心のため、洗練された最高品質の特別な製品を作ってきた。3~4年前からは、バッグの形を保つために、各バッグに“あんこ”を入れて販売している。

WWD:「アスプレイ」のブランドポジショニングとターゲットは?

リーガス:ラグジュアリーの最高峰にある。なぜなら、昔からわれわれの顧客は最高級のジュエリーやバッグなどを熟知しているからだ。彼らの要求を満たすのはそう簡単なことではない。最高級の素材を使用し、全てハンドメードであるから、代々使用できるものが多い。

WWD:現在何カ国で販売しているか?直営店と卸の割合は?

リーガス:イギリス、アメリカ、スイス、日本の4カ国。直営店だけで、卸はしていない。

WWD:多くのカテゴリーがあるが、各カテゴリーの割合は?

リーガス:主要カテゴリーは、ジュエリー、レザーグッズ、ホームコレクション、ウオッチの4つ。ジュエリーの割合が50%、レザーグッズが25%、残りの25%がホームコレクションとウオッチだ。

WWD:「アスプレイ」を象徴するアイテムは?今後注力したいカテゴリーは?

リーガス:ジュエリーであれば、“デイジー”や“サンフラワー”などが代表的。カラーダイヤモンドでも知られている。バッグでは創業年を表す“1781”とロンドンの旗艦店の住所である“167”、そして私の妻の名前を付けた“ダーシー”だ。今では、他ブランドでも多く見られるスチーマーバッグを最初に開発したのは「アスプレイ」だ。シルバーウエアでは、シェーカーなどが有名。

WWD:世界の市場のランキングは?

リーガス:1位がイギリス、2位がアメリカ、3位が日本、4位がスイス。

WWD:日本市場における戦略は?

リーガス:現在銀座と、大阪2店舗、計3店舗で販売しているが、3~4年以内に全8店舗にしたい。名古屋などにも出店したい。

WWD:今後進出したい市場は?

リーガス:中国市場だ。

WWD:今後のラグジュアリー・ビジネスに必要だと思うことは?

リーガス:今や、ラグジュアリーといえどもマスをターゲットにしている。多くのラグジュアリー・ブランドはもはやこれ以上成長できないほど大きくなっている。そういう意味で、ラグジュアリーが持つ特別感が失われつつあるのが問題だ。また、テクノロジーにおける影響は無視できない。eコマースから、コミュニケーション、購買体験などあらゆる面に影響がある。われわれは、商品が正真正銘「アスプレイ」のものだと証明できるアプリを開発中だ。スマートフォンでそのアプリを使えば、その製品がどこでどのように作られたかが分かるようになっている。われわれのサプライチェーンはシンプルだからそれが可能だ。ゆくゆくは、このようなサステイナブル・ラグジュアリーを提供していきたい。

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