日本のアイウエア業界にとって、大きな国際眼鏡展が続く秋は一年の中でビジネスの大きなヤマ場だ。国内市場が停滞する中、世界的に評価が高い技術力を武器とした日本企業のアジアを中心とするグローバル化がさらに強まっている。
10月22日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた日本最大の国際メガネ展「iOFT2018」(リード エグジビション ジャパン、福井県眼鏡協会主催)は世界19カ国から前回比50社増の390社が出展。眼鏡が最も似合う著名人に贈られる「日本 メガネ ベスト ドレッサー賞」の表彰、デザインや機能が優れている製品に贈られる「第22回 日本 メガネ大賞」の表彰など注目のイベントも行われ、3日間で1万2581人が来場した。会期中の商談金額が7億円に上る重要なイベントだ。「iOFT」は年々、国際性を強めており、目立ったのはアジアからの参加だ。45人が登壇した開会式のテープカットには三城ホールディングスやビジョナリーホールディングスなど国内の有力眼鏡店の他、台湾で1400店舗を展開する同国最大の宝島眼鏡店、韓国で500店舗を手掛けるTOMATO D&Cをはじめ、中国、タイなどアジアの有力眼鏡店のトップが顔をそろえた。出展社も来場者もアジア諸国の存在が際立っている。
続いて11月7日から3日間開かれる「香港オプティカルフェア」(香港貿易発展局、香港眼鏡製造者協会主催)には約800の出展社のうち、日本企業は昨年を上回る31社が参加する。サンリーブ、福井めがね工業、ボストンクラブなど福井県のメーカーの他、9月にラスベガスで行われた「ビジョン・エキスポ(VISION EXPO)」、パリの「シルモ(SILMO)」に続く出展となるアイヴァン(オプテックジャパンから社名変更)は11月10日から17日まで現地の有力眼鏡店オキュラー プラス(OCULAR PLUS)でトランクショーも行う。
また今年は「ゾフ(ZOFF)」と「ジンズ(JINS)」が香港に出店し、シンガポールに現地法人があるフォーナインズ(999.9)は来年から香港での展示会開催を表明しており、アジアビジネス拡大の拠点として香港での動きが活発化している。