米PR企業、PRコンサルティング(PR CONSULTING以下、PRC)は10月30日、インフルエンサーでモデルのルカ・サバト(Luka Sabbat)を相手取り、契約不履行として頭金の4万5000ドル(約508万円)の返金を求める訴えをニューヨーク州連邦裁判所に起こした。
訴状などによると、サバトはPRCと動画SNS「スナップチャット(Snapchat)」」の運営企業スナップ(SNAP)によるカメラ内蔵サングラス“スペクタクルズ(Spectacles)”の着用画像をインスタグラムに1回、ストーリーズを3回投稿するほか、公共の場での商品着用などを約束した契約を締結。サバトは契約を実行すれば、6万ドル(約678万円)を受け取る予定だったという。しかしPRCは、10月19日にサバトが投稿した写真のサングラスが“スペクタクルズ”かは不明だし、約束していた投稿前のスナップによる編集も経ず、加えて着用画像は1枚も撮られていないなどと主張している。また「サバトは契約不履行を認めながら、一切の返金を拒否した」と続ける。
これに対してサバト側のコメントは得られなかった。
現在20歳のサバトはスタイリストとしても活動しており、ニューヨークやパリ、リオデジャネイロといった世界各国の都市を行き来している。彼のフィードにはパリス・ヒルトン(Paris Hilton)やヤラ・シャヒディ(Yara Shahidi)といったセレブや女優が登場し、そのクライアントは「ルコック スポルティフ(LE COQ SPORTIF)」から「エヴィアン(EVIAN)」「セブン フォー オール マン カインド(SEVEN FOR ALL MANKIND)」までさまざまだ。直近ではコートニー・カーダシアン(Kourtney Kardashian)とデートしている姿もパパラッチされ、さらに注目を集めていた。
この件についてニューヨーク拠点のNPO、ファッション・ロー・インスティテュート(Fashion Law Institute)のスーザン・スカフィディ(Susan Scafidi)創業者兼ディレクターは、「“あのセレブは金を積まれても商品を着用しないくらいこのブランドが嫌いなんだ”という見出しが今に出るんじゃないかと、ブランドイメージが壊れることを心配しながら、今回のようにインフルエンサーを契約違反として訴えるのは非常にリスキー。でももしかしたら、スナップはインフルエンサーの1投稿で得るよりも多くの注目を集めるかもしれないという意味で、勝利は収められるかもしれない」と語る。