東証一部上場後のワールドの株価(9月28日〜11月16日) 「Yahoo!ファイナンス」の公式サイトから
大手アパレルのワールドが、9月28日に東証一部に上場した。同社は2005年11月にMBO(経営陣らによる買収)によって上場を廃止しており、13年ぶりの再上場になる。この間、競合の激化やECの台頭で同社を取り巻く環境は大きく変わった。多角化や大量出店がたたり、16年3月期には13ブランドを廃止して約500店舗を閉め、約450人の希望退職者を募った。再建を託され、創業家以外で初のトップに就いた上山健二・社長は構造改革にほぼメドをつけ、再上場を機に新しい成長モデルの構築に本腰を入れる。これまでの動きを振り返ってみる。
大規模リストラから再上場へ
【構造改革】
大手アパレル相次ぐリストラ、大量出店戦略は曲がり角に?
ワールド、上期に181店を閉鎖 「アニマ」「ジンジャーエール」終了
ワールドの希望退職者が453人に
【持ち株会社体制移行】
ワールドが持株会社に移行 百貨店やSC向け業態ごとに事業会社設立
ワールドの持ち株会社体制移行 国内事業会社の詳細を発表
【東証一部に再上場】
ワールドが再上場、初値と終値がともに公開価格を下回る
ワールド、再上場で調達する300億円を「プラットフォーム事業」と「M&A」に投資
READ MORE 1 / 2 企業連携を強め、業界のプラットフォーマーを目指す
【投資】
「W&Dデザイン投資事業有限責任組合」が投資の第1号に選んだユア サンクチュアリーが手掛ける「シクラス」2019年春夏パリ・コレクション
ワールドと日本政策投資銀行(以下、政投銀)が立ち上げた共同運営ファンド「W&Dデザイン投資事業有限責任組合 (以下、W&Dデザインファンド)」は、投資の第1号にセレクトショップのザ シークレットクロゼット(The SECRETCLOSET)とウィメンズブランド「シクラス(CYCLAS)」を手掛けるユア サンクチュアリーを選んだ。(詳細はこちら)
【M&A】
【提携】
家入一真キャンプファイヤー社長(左)と上山健二ワールド社長
大手アパレルのワールドは6月1日、クラウドファンディングのキャンプファイヤーと資本・業務提携を結んだことを発表した。出資額は非公表。今後、キャンプファイヤーはクラウドファンディング上で支援するクリエイターや企業に、ワールドの持つプラットフォームの活用を促していく。(詳細はこちら)
ワールドは、9月6日東証2部に上場した子ども服のナルミヤ・インターナショナルの101万2300株を引き受け、同社の第2位の大株主になった。総株主の議決権に対する割合は10.22%になる。(詳細はこちら)
ワールドとTSIホールディングスは10月から、同一商業施設に納める商品を同じトラックで輸送する取り組みを開始した。関東1都6県のファッションビルやショッピングセンターなど39館への納品から着手し、対象店舗・エリアを順次拡大する。(詳細はこちら)
【クリエイター支援】
ワールドは、同社の北青山ビル(東京都港区3-5-10)の1階エントランスを情報発信基地として活用する。外部のクリエイターや企業、学校との協業によるイベントを企画。青山通りに面して、多くの通行人の目に触れる立地を生かし、表現の場として使う。(詳細はこちら)
READ MORE 2 / 2 再建に向かう近年の業績