資生堂は7日、フィリピンにおける化粧品事業を強化するため合弁会社資生堂フィリピン(Shiseido Philippines Corporation)を12月に設立すると発表した。100%子会社でアジアを統括する資生堂アジアパシフィックと、シンガポールを拠点にアジアで化粧品代理店などを展開するLUXASIAが合弁契約、出資比率は資生堂アジアパシフィックが過半数を占める。
新会社による体制は2019年7月から始動。フィリピンでは現在、販売代理店が2社に渡っているが、同時点から資生堂フィリピン1社で全ブランドを取り扱う。「SHISEIDO」や「NARS」「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」などのプレステージブランドと、中間所得層の化粧品購買チャネルとして比率を高めているドラッグストアで人気のクレンジングアイテム、日焼け止めなどを展開していく。
資生堂は15年度から進める中長期計画“VISION 2020”の中で、プレステージブランドをマーケティングの第1優先としている。人口が1億人を超えるフィリピンでは、全体の4分の1以上を10〜30代の若年層が締め、プレステージ市場が20年まで2ケタ成長が続くと予想されている。また化粧品市場規模が東南アジアで3番目に大きい約30億ドル(約340億円、資生堂推計)で、特にメイクアップカテゴリーが伸びているという。さらに中間所得層の拡大により日本ブランドの優位性も高まっており、ポテンシャルの高いマーケットと位置付けた。