時価総額は終値から算出
快進撃を続けてきたファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN) 」を運営するZOZO(旧スタートトゥデイ)だが、3年後に売上高2000億円を掲げるプライベートブランド(PB)「ゾゾ」事業のスタートで大きな岐路を迎えている。「ゾゾタウン」はツケ払いや送料無料化、ZOZOお任せ定期便などの画期的なサービスを打ち出し、国内ECでNO.1の地位を確立してきた。一方、新事業であるPB「ゾゾ」では昨年11月に核となる身体計測スーツ“ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)”を発表し、大きな話題を呼んだ。その一方で初代ゾゾスーツは生産失敗で約40億円の特別損失を計上し、PB「ゾゾ」のスーツでは2〜3カ月の配送遅延でスムーズに顧客に届けることに失敗もしている。日本のファッションECの圧倒的王者として君臨してきたZOZOの動向を振り返る。
【ツケ払い】
ゾゾタウン(ZOZOTOWN)は2016年11月1日、注文から最大2カ月後に支払いができる決済サービス「ツケ払い」を開始した。クレジットカードを利用することなく支払いを注文の2カ月先まで延長できるため、一時は支払いのできない若年層が利用するのではないか、といった指摘が相次いだ。しかし17年8月には利用者が100万人を超えたことを発表した。利用者の7割は女性で「ゾゾタウン」好調の大きな要因の一つになっている。
ゾゾの「ツケ払い」利用者が100万人を突破 利用者の7割は女性
【送料の自由化】
17年10月には通販・EC業界初の試みとして、送料をユーザー自身が決める“送料自由”サービスを試験導入。11月からは送料を一律200円にすることを発表。前澤友作ZOZO社長は「昨今の物流事情に対して、実際の顧客はどう思っているのか。それを確かめるためにはアンケートではなく、購入時にそれぞれの意思を確認すべきだと考え、こうしたサービスを試験導入した。結果として、計測期間に0円を選択したユーザーは43%、平均送料は約96円だった。これからは改めて『送料が無料ではない』ということをアピールしていきたい。“送料無料”という過度なキャンペーン告知によってユーザーに誤認識を与えたのは、われわれEC事業者の責任でもある」と話した。
“送料自由”の結果受けて「ゾゾ」送料一律200円へ、4~9月期も高い成長率は維持
【ZOZOお任せ定期便】
18年2月には新サービス「おまかせ定期便」を開始した。ユーザーは好みのサイズ感や丈感、取り入れたくない柄などの質問に答えるだけで、好みに合ったおすすめ商品が定期的に届くというもの。“ZOZOSUIT”で計測したサイズデータともひも付き、最適なサイズを提案してくれる。
「ゾゾ」が「おまかせ定期便」を開始、“ゾゾ販売員”が希望金額のおすすめ商品をピックアップ