米アパレルブランド「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」がカリフォルニア州サンフランシスコにある旗艦店で化粧品の販売を始めた。ラグジュアリー化粧品を扱う小売店「コス バー(COS BAR)」との協業で、テスト導入している。
約40平方メートルと通常の「コス バー」の約3分の1の売り場だが、「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」「レヴィーヴ(REVIVE)」「クリニーク(CLINIQUE)」をはじめ、ラグジュアリーブランドや新しいブランドなども扱う。デビッド・オルセン(David Olsen)=コス バー最高経営責任者(CEO)は「今回の協業で『コサス(KOSAS)』やバス&ボディーブランドの『バスタイド(BATHTIDE)』、ヘアは『R&CO』など新規ブランドの扱いも始める。今後はもっとカテゴリーも増やしたい」と説明。
北米で路面店を20店鋪構えるコスバーにとって、今回のパートナーシップでは競争が激しいサンフランシスコエリアに出店し、新客の獲得を狙える。オルセンCEOは「サンフランシスコは以前からずっと出店したかったエリアだ。小売りは常に進化していて、今は業種が異なるリテーラーのパートナーシップが増えている」と話す。
近年ビューティ商材を扱うアパレルブランドが増えており、今回「バナナ・リパブリック」もその仲間入りをした。「メイドウェル(MADEWELL)」は今年前半にビューティコーナーを導入し、数年前からビューティを取り扱っている若年層に人気の「アーバン アウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)」は、全体の売り上げのうち化粧品が占める割合が増え、現在は約11%だという。さらに、「アンソロポロジー(ANTHROPOLOGIE)」と「フリー ピープル(FREE PEOPLE)」でも化粧品の売り上げは全体の13%を占めている。リサーチ会社のジェーン・ハリ&アソシエーツ(JANE HALI & ASSOCIATES)のジェーン・ハリ(Jane Hali)CEOは「どこのブランドもみんなライフスタイルブランドになりたがっている」と語る。
「バナナ・リパブリック」にとって、化粧品を扱うことによって来客数が上がると分析する。「化粧品は客を店に引きつける商材だ。そして色味を見たり、製品を試したりして長居しやすい。滞在時間が長ければ長いほど他の商品ふくめ購入率が上がる」。さらに、「『バナナ・リパブリック』の洋服自体は近年売り上げが落ち苦戦している。今人気のスニーカーなどが充実していない限りアパレルだけでは苦しいだろう。一方でビューティとインテリアなどのホームは好調。特にこれからのホリデーシーズンにおいては期待できる商材で、良い影響を与えるだろう」と話す。