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セーレン川田会長「アパレルの在庫棄却は許されない時代になる」

 繊維大手のセーレンの2018年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比8.5%増の600億円、営業利益が同0.7%増の50億円、純利益が同26.8%増の42 億円だった。中間期として7期連続の増収増益を達成した。衣料品素材などを扱うハイファッション事業は売上高が同4.8%増の126億円、営業利益が同2.3倍の4億5800万円となり、18年3月期の減収減益から持ち直した。

 ハイファッション事業ではインナー素材向けのBtoBビジネスが好調だった。グループのニッティング技術と加工技術を生かした差別化素材が評価された。BtoCビジネスで推進するパーソナルオーダーシステム「ビスコテックス メイク ユア ブランド(VISCOTECS MAKE YOUR BRAND)」の店舗導入も進んだ。

 国内のアパレル市場は苦戦続きだが、8日会見した川田達男・会長兼最高経営責任者(CEO)は事業への追い風が吹いていると強調した。「お客さま(アパレル企業)はこれまで当社が提案する在庫レスにあまり興味を示してくれなかった。(作った衣料品の)半分を棄却しても利益が出てしまうからだ。しかし棄却が世界的に批判されるようになり、在庫レスへの注目が非常に高まっている。在庫の棄却が許されない時代になろうとしている」。

 同社は今後も在庫レスの旗印を掲げて、自社開発のインクジェット機を軸にしたテキスタイルとアパレルのデジタル生産システム「ビスコテックス」と、それを店頭で消費者にも提案できるビスコテックス メイク ユア ブランド」の売り込みをかける。

 通期(19年3月期)は売上高が前期比4.6%増の1200億円、営業利益が同2.1%増の110億円、純利益が同21.2%増の84億円を予想する。うちハイファッション事業は売上高が同2.9%増の256億円、営業利益が同46.5%増の11億円を計画する。

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