服地卸国内最大手の瀧定大阪は2019年2月に予定していた子会社のスタイレムとの合併を延期する。合併後は社名をスタイレム(STYLEM)に変更する予定だった。瀧隆太・社長は「5年を掛けて準備を進めてきたが、もう少し時間が必要だと考えるに至った」と理由を語った。同社は1864年に名古屋財界の名門企業である瀧兵商店(現タキヒヨー)の番頭を務めていた瀧定助が創業した瀧定商店がルーツで、名古屋を拠点にする瀧定名古屋と兄弟会社。
08年に瀧定大阪の社長に就任した瀧社長は、組織改革やIT化の推進、海外と新規事業の拡大などを指揮する一方、13年にコーポレートブランドとしてスタイレムを制定。その後は15年2月には同名の新会社を設立し、主力の服地卸とOEM事業を移管するなど、社名変更の準備を進めてきた。瀧社長は「入念に準備は進めてきたが、社外への発表後に多くの人からさまざまな意見をいただき、その中には私の知らないこともあった。その上で、やはり自分自身が納得できなかったこともあり、延期を決めた。合併の期限は決めず、自分が納得できるタイミングになる。ただ、これまでの経営方針には何の変更もない。今後もデジタル時代に対応したグローバルなファッションサプライヤーの確立にまい進する」という。