ミズノの2018年4〜9月期業績は、売上高が前年同期比5.3%減の869億円、営業利益が同9.5%減の35億円、純利益が同3.8%減の23億円で減収減益となった。仕入れコストの低減に取り組んでいるものの、ランニングシューズを中心にグローバルでの販売が苦戦。粗利益率は1.0ポイント改善したが、減収によって販管費率が1.3ポイント上昇したことが響いた。
欧州以外の全エリアで減収だった。主力の国内市場の売上高は同3%減の605億円。競技人口の減少によりスポーツ品販売事業が全般的に苦戦した。中でもブームが落ち着いたランニングシューズや競合が激化しているウォーキングが失速した。一方、新規参入したワークシューズとワークアパレルは好調に推移。スポーツ施設サービス事業は、施設運営受託件数が増え、成長が継続している。
米州(米国、カナダなど)は、同20%減の93億円と大幅な減収。「シューズを含めて市場が供給過多になったことと、シューズのトレンドがファッション系へと大きく変わり、シリアスタイプのパフォーマンスシューズがシュリンクしているため」(水野明人・社長)。売り上げは追わず、在庫のコントロールなどで利益の確保に努めたほか、事業構造を再構築した結果、中間期として4期ぶりの営業黒字になった。
欧州は、各国代表チームとサプライヤー契約を結んでいるハンドボール、バレーボールなどのインドアスポーツシューズの販売が伸び、同7%増の増収だった。アジア・オセアニアは、韓国で好調だったものの、中国、台湾でランニングシューズが苦戦し、同9%減の減収、微増益となった。
10〜3月期は、引き続きカジュアルスニーカーの開発や店舗開拓に取り組むほか、欧州市場で評価を得ているテニスシューズとインドアシューズを強化する。フットボール、バドミントン、卓球などアジア向けの競技スポーツにも力を入れる。また、トヨタ自動車の燃料電池バスの水素タンクに採用されているカーボンの用途開発に取り組み、加工ビジネスをさらに拡大させる。
通期の業績は、売上高が前期比2.5%増の1900億円、営業利益が同11.9%増の90億円、純利益が同14.8%増の90億円を計画する。「当社は2月、3月の売り上げが非常に大きい。ハードルは高いが、下期で取り返せると思う」と水野社長は話す。