化粧品製造・販売のミルボンは12日、三重県伊賀市の自社工場に導入する従業員の新ユニホームを東京・京橋の本社でお披露目した。社員のモチベーション向上と人材確保につなげる目的で、従業員約190人の装いを刷新する。デザインは京都市立芸術大生が協力、素材選定はテキスタイルや生産に精通する宮浦晋哉・糸編代表が手掛けた。
お披露目された新ユニホームは、従来のライトブルーからブラックとネイビーが基調のボディーカラーに変更。ミルボンのシグネチャーカラーであるパープルを裏地に配し、袖まくりしたときのアクセントにした。細身でスタイリッシュなシルエットでありながら、東レのストレッチ性に富む高機能繊維「ライクラ(LYCRA)」を使用することで、積み下ろし作業などの際の動きやすさも確保した。胸ポケットはスマートフォンも入れられる容量を確保するなど細かな仕様にもこだわった。
登壇した京都市立芸術大学の滝口洋子・教授は「学生がアンケートや話し合いを重ね、『ダボっとしたものは嫌だ』『汚れが目立たないものを』といった現場のニーズを可能な限り取り入れた」と説明。宮浦代表は「普段ファッションの畑の外にいる学生や企業からの提案を翻訳し、職人とのやり取りの中で具現化する作業は大変だったがやりがいもあった」と話した。
12月3日に新ユニホームへの衣替えを実施し、今後はタイにある自社工場への導入も検討しているという。ミルボンの佐藤龍二・社長は「作業服の刷新が従業員の意欲向上につながるとともに、ゆくゆくはおしゃれなユニホームが『ここで働きたい』というきっかけになってほしい」と話した。