中国のEC最大手アリババ(ALIBABA)は11月11日、今年で10回目となる中国「独身の日(シングルデー)」に合わせた大規模なセールを開催した。流通総額は2017年の253億ドル(約2兆8840億円)を突破し、過去最高の308億ドル(約3兆5110億円)となった。
同社による「独身の日」セールの勢いは年々すさまじくなっており、今年は開始から約2分で流通総額が14億ドル(約1600億円)に到達。16分後には131億ドル(約1兆4930億円)となり、15年の流通総額を突破した。なお、17年の流通総額を超過したのは午後3時49分だった。
10回目となる今年は、アリババの全事業が参加した。その1つである越境ECの「Tモールグローバル(Tmall Global)」が、カテゴリー別での流通総額トップ3社を発表。ビューティは「ランコム(LANCOME)」「オレイ(OLAY)」「ロレアル(L’OREAL)」、メンズファッションは「ジーエックスジー(GXG)」「ユニクロ(UNIQLO)」「ピースバード(PEACEBIRD)」、ウィメンズファッションは「ユニクロ(UNIQLO)」「オンリー(ONLY)」「ヴェロモーダ(VERO MODA)」だった。スポーツウエアは「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」「アンタ(ANTA)」となった。
参加ブランド数は17年の14万から18万に増加し、参加した国や地域も同225から230に増加するなど、規模は拡大し続けている。本セールは10月20日から事前注文を受け付けており、「バーバリー(BURBERRY)」による限定品のスカーフは開始日の当日に完売。「ニューバランス(NEW BALANCE)」は新製品6万足を、「M・A・C」は開始6分で1万7000本の口紅をそれぞれ売り上げた。
アメリカの市場調査会社イーマーケター(EMARKETER)は、18年の中国におけるECの売り上げは前年比34.3%増の1兆5300億ドル(約174兆4200億円)に達し、同国における小売り売上高の29.1%を占めると予測している。また、全世界におけるECの売り上げの半分以上を中国の消費者が占める計算になるという。
GDPが減速傾向にあり、アメリカとの貿易摩擦で景気の不透明感が広がりつつある中国だが、「独身の日」セールでの売り上げを見る限り、中国の消費者の消費意欲に衰えは見られない。なお、同イベントにおける国別の流通総額では、日本が3年連続で首位を獲得し、以下アメリカ、韓国、オーストラリア、ドイツが続いた。