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ファーフェッチが上場後初決算 ジュエリーでドーバーとの提携も

 9月に上場したラグジュアリーEC大手の英ファーフェッチ(FARFETCH)は、上場後初となる第3四半期(7〜9月期)決算を発表した。売上高は前年同期比 65.7%増の1億3220万ドル(約150億円)で、同社の急速な成長を示す結果となった。純損失については、販売費および一般管理費が、特に株式報酬の影響で1億4420万ドル(約164億円)に倍増したため、2820万ドル(約32億円)から7730万ドル(約88億円)に拡大。流通総額は同53%増の3億1000万ドル(約353億円)となり、ジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)最高経営責任者(CEO)はオンラインラグジュアリー市場全体の約2倍の伸び率だったと述べた。

 会見では第3四半期における活動のハイライトも示した。一つは、「モスキーノ(MOSCHINO)」「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」「トリー バーチ(TORY BURCH)」の3ブランド、そしてロシアとエストニアの新たな取引先を含む大規模なブティックネットワークを追加する。二つ目に、ファーフェッチ内に初の百貨店プラットフォームとしてハーヴェイ・ニコルズ(HARVEY NICHOLS)を導入する。3つ目に、ファインジュエリーに強いドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET以下、DSM)とのパートナーシップ提携を行った。

 ファーフェッチとDSMは、DSMが監修する気鋭のデザイナーやファインジュエリーブランドを紹介するデジタルハブ「ファーフェッチ キュレート(Farfetch Curates - Dover Street Market Jewelry Edit)」を10月に開設している。

 ファーフェッチの成長はまだ着実なものではなく、9カ月間のオーダー数は54.9%増の6億6250万ドル(約755億円)まで伸長したが、客単価は584.6ドル(約6万7000円)で、前年同期の605.2ドル(約6万8900円)よりも下落した。同社は第4四半期(10〜12月期)の流通総額を4億3500万ドル(約496億円)から、以前の見込みよりも高い4億4500万ドル(約507億円)まで引き上げる計画だ。ネヴェスCEOは「ファーフェッチの上場は第1章が終わり、より挑戦的な第2章へと突入している」とコメントした。

大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う。

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