旭化成は、中国でファッションデザイナーを目指す若手の人材育成を目的としたコンテスト「旭化成・中国未来の星デザインイノベーション大賞」を実施し、ファイナリストの作品をショー形式で披露するイベントを10月27日に天安門広場近くの北京飯店で行った。
同コンテストは昨年に続いて2回目で、中国の45の大学から応募があり、作品から審査の上、3人のファイナリストを選出した。ショーは10月25日から11月2日まで開催された中国インターナショナルファッションウイークの関連事業として行われ、世界で唯一、旭化成が生産する再生セルロース・キュプラの素材ブランド「ベンベルグ(BEMBERG)」を使用した作品を3人のデザイナーが各15点披露した。会場には約1000人が来場し、この模様は中国中央テレビ(CCTV)でも紹介されるなど話題を集めた。
11月14、15日に恵比寿ガーデンホールで開催中の旭化成の素材展示会に合わせてファイナリスト3人が来日し、同展を見学した。そのうちの1人で、来年から東京の文化ファッション大学院大学に留学するシユウ・カギョク(周嘉玉)さん(武漢設計工程学院芸術設計学院出身)は、「『ベンベルグ』は肌触りがよく環境にもやさしい素材で、私が考えたテーマにもぴったりだ。日本の文化に興味があり、好きなブランドは『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCON)』。将来は世界で活躍できるデザイナーになりたい」と話した。この後、一行は、東京ミッドタウン日比谷内の日比谷三井タワーにリニューアルオープンした「ベンベルグ裏地ミュージアム+(プラス)」や宮崎県延岡市の同社工場を見学する。旭化成は北京と上海に事務所が、杭州に工場があり、約10年前から北京でファッションイベントを開催している。