「グッチ(GUCCI)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」を擁するケリング(KERING)が、ヴァレンティノ(VALENTINO)買収を狙っているというウワサが浮上している。
ヴァレンティノは2012年にカタールの投資企業メイフーラ(MAYHOOLA)に8億5800万ドル(約978億円)で買収されている。ある業界筋によれば、マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)=グッチ社長兼最高経営責任者は昨年、メイフーラに「ヴァレンティノ」買収について話を持ちかけたという。この申し出は断られたものの、ラグジュアリーブランドの取り合い合戦が過熱する中、可能性がゼロになったとは考え難い。
メイフーラはヴァレンティノを売却するつもりはないものの、提案や申し出については話を聞く姿勢だと業界筋は見ていた。そして過去数週間にわたって、メイフーラとケリングの交渉が再開されたというウワサが浮上している。
ケリングにはコメントを拒否された。また、メイフーラ広報にはリーチできなかった。
「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」でピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)「ヴァレンティノ」クリエイティブ・ディレクターと協業するモンクレールも買い手候補とウワサされるが、モンクレールはウワサを否定する。「当社は現在進行中のプロジェクトをまっとうすべく、全社員がまい進する」とコメントを発表した。
ヴァレンティノの17年の売上高は前期比5%増の11億6000万ユーロ(約1496億円)で、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)が同7.7%減の1億9000万ユーロ(約245億円)だった。メイフーラはヴァレンティノを上場する計画をたびたび進めていたが、最終的には見送られている。
業界筋はメイフーラがヴァレンティノを売却すれば、買収価格の2.5倍の金額を手にすると見ている。