三陽商会は15日、ライフスタイル雑貨などを販売するECサイト「モノコ(MONOCO)」の運営などを行うMONOCO(東京、柿山丈博・社長)との資本業務提携を発表した。MONOCOの株式16%を取得し、筆頭株主となる。また取締役1人をMONOCOに派遣する。
「モノコ」は日本初上陸のアイテムや限定商品を豊富に取り扱うだけでなく、メールマガジンやブログなどで、商品の利用シーンや生産にまつわるストーリーを紹介するなど、オウンドメディアマーケティングを展開。またコーディネートをバイヤーに直接質問できるなど、消費者との距離を縮めるための“共感コンテンツ”を提供してきた。
三陽商会は今回の資本業務提携により、自社製品を「モノコ」で展開することで新しい顧客層の開拓を図る他、“共感コンテンツ”開発のノウハウを自社のECモール「バイヤーズコレクション(BUYER’S COLLECTION)」に生かす。また「モノコ」の限定商品を自社のリアル店舗でも展開し、商品の共同開発も行うという。MONOCOへは、アパレルや雑貨の企画製造、リアル店舗運営のノウハウを提供することで、相互補完を見込む。
三陽商会は10月の2018年1~9月期決算会見で成長戦略を発表。重点戦略として、ブランディングとマーケティングの強化を通じたプレミアムブランド化、デジタルトランスフォーメーションの推進、M&A・資本業務提携を通じた成長加速を掲げ、これらを実現するため、20年までに100億円超の投資を行うとしていた。
今回の資本提携の狙いについて三陽商会は、「“共感コンテンツ”制作のノウハウや新たなチャネル展開を通じた新規顧客の開拓などは、自社のプレミアムブランド化の推進や中期経営計画の一つである『EC売上の拡大』の一助になる」としている。