「グッチ(GUCCI)」は、ミレニアル世代やZ世代(ジェネレーションZ)の消費者との“対話”を活発にするため、ロサンゼルスを拠点とするアバター・チャット開発スタートアップのジーニーズ(Genies)とグローバルな提携契約を締結した。ジーニーズのアバターはAI(人工知能)を使用しており、ユーザーはさまざまなプラットフォームで自分らしいコミュニケーションを楽しむことができる。
「グッチ」は未来的な技術を積極的に取り入れており、今までもソーシャルメディアを活用し、カスタマイズサービス・プログラム“Do It Yourself”を提供している他、バーチャルリアリティー技術を使用したプロモーションなどを展開してきた。今回のジーニーズとの提携では、アプリ内に「グッチ」の実際のアイテムを200点ほど用意し、ユーザーがそれらを着替えられるようにするという。こうした展開は、ラグジュアリーブランドでは「グッチ」が初であり、当面は独占的に提供する。
ジーニーズは、投資家やベンチャーキャピタルから2500万ドル(約28億円)の資金を調達しており、ミュージシャンのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)やミーゴス(Migos)のオフセット(Offset)なども出資している。同社のアカシュ・ニガム(Akash Nigam)共同創業者兼最高経営責任者は、「ジーニーズのアバターは、リアルタイムで動くミニロボットのようなものだ。競合サービスのビットモジ(Bitmoji)より機能性が高く、クロスプラットフォームやマルチユーザーでのコミュニケーションが可能なため、最大6人でのグループチャットが楽しめる」と語った。
現時点で使用できるプラットフォームは、ワッツアップ(WhatsApp)、フェイスブック・メッセンジャー(Facebook Messenger)、アイメッセージ(iMessage)など。同社のソフトウエア開発キットは、10万~300万ドル(約1120万~3億3600万円)で提携ブランドにライセンス供与されている。
ジーニーズが特許を出願している技術“ホイール”を使用して、ユーザーはアバターを簡単にカスタマイズすることが可能だが、「グッチ」はブランドロゴなどを配した特別デザインの“ホイール”を提供する。
CGで作られた“バーチャル・インフルエンサー”のリル・ミケーラ(Lil Miquela)の成功もあり、アバターを広告スペースとして活用しようという動きが広まっている。