米コンデナスト(CONDENAST)が発行する「グラムール(GLAMOUR)」誌が、2019年1月発行分を最後に紙版を廃止する。同誌は80年あまりの歴史があり、人気雑誌としてコンデナストに大きな利益をもたらしてきたが、最近は本誌100ページあまりのうちビューティ関連以外による広告が約40ページを占めるなど、往時の勢いは見られなくなっていた。
「グラムール」誌の主な収入源はビューティ業界からのタイアップ記事や広告だったが、インスタグラムやインフルエンサーの台頭により、これが激減した。18年1月に就任したサマンサ・バリー(Samantha Barry)「グラムール」編集長は、紙版が廃止となる来年1月に就任1周年を迎える。ボブ・サウバーグ(Bob Sauerberg)=コンデナスト最高経営責任者は、紙版の廃止はバリー編集長による“ビジョン”の一環として実施されるものであり、「彼女のリーダーシップに全幅の信頼を置いている。ブランドの将来への投資となる動きだ」とコメントした。
バリー編集長は「特別エディションとして紙版を出すこともあると思うが、基本的にはデジタル版を強化し、読者が頻繁に訪れるプラットフォームでコンテンツを届けたい。紙版の読者は200万人だが、デジタル版は2000万人にリーチできる」と語った。なお、紙版の廃止に伴うさらなる解雇はないという。